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四段合格 [備忘録]

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4月15日(日)、くにたち市民総合体育館で開催された東京都剣道連盟主催の審査会で、無事に四段に合格しました。思い立ってから1ヵ月の急ごしらえで、日本剣道形の稽古を重点的にやって下さった先生方、先輩、同僚の皆様、そして、この1ヵ月間普段よりも頻繁に稽古に出かけるのを黙って見守ってくれていた家族に、お礼を申し上げたいと思います。

今年11月にいずれにしても受験しようと考えていたのですが、11月は仕事で長期出張できる余地を残しておきたいと思ったので、前倒して受験することにしました。決心したのは3月に行なわれた次男の試合の直後のことで、あいつも頑張って剣道続けているんだから、オヤジとしてもちゃんと頑張っているところを結果で示したいと考えたのです。また、この半年間で、娘は中学受験、長男は英検準2級と、子供達には目標を定めて達成に向けて努力することを求めてきたわけで、いくら年齢を重ねても「目標設定と達成に向けた努力」の組合せは同じなんだよというのを、自分なりに示したいとも思いました。

前回三段受験は2001年8月の米国・ラスベガスでした。その時は全米剣道連盟主催のサマーキャンプでのことで、その流れで急遽受験したので、日本剣道形の稽古を殆どしておりませんでした。実技審査はクリアしたものの、形審査はまったくのしどろもどろで、案の定不合格となってしまいました。実技審査免除で形審査を再受験したのは同年11月のニューヨークでのことでしたが、その時も形については「ギリギリだな」と当時指導を受けていたK先生からは苦言を呈せられました。

三段合格後、順調なら2004年11月には四段受験資格が発生します。自分でもそのつもりで、米国駐在期間中はそれなりに中味の濃い稽古を積んで、意気揚々と帰国しました。ところが、最初に配属された部署では予想以上の激務で、加えて子供も小さかったことから容易に稽古に出かける気にもなれず、帰国直後に一度面をかぶったぐらいで、以後5年以上のブランクを作ってしまいました。再び剣道に戻って来れたのは2009年7月、インド・デリーのインド剣道同好会「剣印会」の稽古でのことでした。

この10年は体の衰えとの闘いでもありました。米国で稽古を積んでいた時にはさほど感じたことがなかったのですが、今は稽古の翌日は体中に痛みがあるし、2~3回続けて稽古すると両膝の痛みに悩まされることが多く、続けて稽古ができません。インドから帰国して今の道場に通うようになってからも、肋骨にひびを入れたり、肉離れをやったり、腰椎椎間板ヘルニアをやったりして、そのリハビリで1ヵ月稽古できないようなブランクも度々ありました。

「あと何年、今みたいな剣道が続けられるのだろうか」――そんな不安と背中合わせで稽古を重ねてきました。
それだけに、よくここまで辿りつけたなと、感慨もひとしおです。

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《審査会場入口。四段・五段合わせて700人近くが受験》

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《実技審査合格者発表。僕の受験番号見っけ!》

普段の稽古通りの立ち合いができれば、実技審査は先ず合格するだろうと先生からは言っていただいていたものの、問題はその「稽古通り」が本番で見せられるかどうかです。実技審査は立ち合いの相手2人との相性というのもあります。幸い、私の場合は立ち合い相手2人の1回目の立ち合いを事前に見ることができ、落ち着いて自分の立ち合いに臨むことができました。しかも、集中した1本目の面がいずれも立ち合いでも決まったので、気持ちよく実技を続けることができ、しまいには小手・面の二段打ちも繰り出すことができました。

次の形審査は、三段受験の際も苦労したもので、1ヵ月の準備期間の中で最も時間を費やしたものです。晴れていればほぼ毎日、出勤前に近所の神社境内で1人で稽古し、動作がわからなくなると独習書や動画サイトを見てすぐに疑問を解消するよう心がけました。体が自然と動くぐらいにパターン化させ、最も苦手だった仕太刀七本目の抜き胴直後の立膝も、右膝用にクッション入りサポーターを装着することで、膝の痛みを気にすることなく、安定した姿勢を保つことができるようになりました。

そうして臨んだ審査は、なんと会社で月1回指導して下さっているF先生が審査員を務められている目の前!3月下旬の稽古で、あまりにもひどい形で1時間も密着指導をして下さった先生の前で、頭が真っ白になってしまいました。仕太刀の最初の二本は、体がガチガチで、ロボットのような演技になってしまいました。ようやく落ち着いたのは四本目で、相手を務めて下さった打太刀の受験者がなかなか八双の構えをとらないので、私よりも相手の方があがっているのではないかと見て取ったのが大きいです。あとは、普段の稽古でもなかなか決まらなかった七本目と小太刀三本目も無難に決まり、まあなんとか逃げ切れるかなというレベルの演技で締めくくることができました。

学科審査は事前に問題が提示されて、当日までにレポートを書いて行くもので、週報でも書いた通り、週半ばに時間をとって回答案をまとめておきました。

受験に向けて、時々書棚から出してきて頁をめくった独習書を2冊紹介しておきます。

剣道・攻めの定石

剣道・攻めの定石

  • 作者: 佐藤 成明
  • 出版社/メーカー: スキージャーナル
  • 発売日: 1987/07
  • メディア: 単行本

わかりやすい剣道段級審査 (Sports series)

わかりやすい剣道段級審査 (Sports series)

  • 作者: 香田 郡秀
  • 出版社/メーカー: 成美堂出版
  • 発売日: 2010/01
  • メディア: 文庫


無事に終わって本当によかったです。四段は約320名が受験し、4人に1人ぐらいの合格率だったようです。

これで、還暦前に六段受験資格を得るための第一歩を踏み出すことができました。48歳9ヵ月での四段合格ですので、五段受験資格は4年後になります。勿論すぐに受験するつもりです。衰えゆく自分の体との闘いではありますが、今後も稽古を積んでいきたいと思います。特に、日本剣道形は体に覚えさせたい。

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《五段実技審査の様子。4年後に、この場に立つのが次の目標》

五段の実技審査も見学しましたが、無駄打ちが1本でもあったり、不用意に相手の打突を受けたりしてしまうと、簡単には実技審査をクリアできない、相当に難しいという印象を受けました。今の私の力量ではまだまだです。6人に1人程度しか合格できないといいます。

中日・山本昌の46歳8ヵ月での勝利投手とは全然意味合いが違いますが、同じ日に達成できて本当に嬉しい。合格当日の夜は、義父母もお招きし、娘の入学祝も兼ねたささやかな祝賀会を近所の中華料理店で開きました。今朝は二日酔いですが、この日だけはお許しを!

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