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『韓国人を愛せますか?』 [読書日記]

韓国人を愛せますか? (講談社プラスアルファ新書)

韓国人を愛せますか? (講談社プラスアルファ新書)

  • 作者: パク チョンヒョン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/01/24
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
韓流「友情・愛情・結婚・セックス」のすべて。W杯&韓流ブームで縮まった韓日新時代に贈る「もっと、もっと韓国人を知る」バイブル。
あまりこのブログでは紹介していなかったが、僕はこの半年の間に2回韓国ソウルに出張するという機会があった。それぞれ1泊2日、2泊3日という短期間の出張だったし、特に2回目の方は宿泊先のホテルを会場にした1日がかりの会議に出席して発表してくるのが目的だったので、腰痛がひどかったこともあって外出もせず、ソウルの街を満喫するというまでには至らなかった。ただ、この2回の出張で出会った方々は皆さん一様に節度を持った友好姿勢だったし、とりわけ若い女性には美人も多かったので、僕の韓国人に対するイメージは随分と変わった。

出張したメンバーと連れ立って、一度だけホテルを出て外食に出かけたことがある。日本人観光客など行きそうにもない地元の焼肉屋だった。メニューは全部ハングル標記されていて、何をどう注文したらいいのか最初は迷ったが、幸いその店の店長さんがまだ若いのに日本語ができる方で、何かと面倒を見てもらった。営業トークが得意っぽかったが、料金をぼったくられたという印象はない。楽しい食事だったし。周囲は会社帰りの団体客や学生のコンパのような若いグループも沢山いて、大盛況のお店だった。盛り上がり方は日本と同じだった。

韓国に一度でも行ったことがある方なら感じられたことがあると思うが、街の雰囲気とか、インフラを含めた街づくりのコンセプトが日本ととても似ている国で、ハングル語で書かれた看板がなければ、そして車が右側通行でなければ、そこが日本だと言われても納得してしまうだろう。

実を言うと僕は大学院生だった24年前、研究室で1年上にいらした韓国政府派遣の留学生との交流で嫌な思いをしたことがある。僕の非を指摘して、「だから日本人は…」と日本人の問題点として一般化されたのである。その時、僕は、「それは自分個人の非であることは認めるが、日本人全員がそうだという言い方は承服しかねる」とかえって反発した。勿論、それがもとで韓国人嫌いになっていた僕自身も、その人の言動から「だから韓国人は…」と一般化してしまっていたわけで、同じ過ちを犯していたことは認める。

いずれにしても、ここ半年の韓国との繋がりで、昔の経験を相対化して、冷静に韓国と韓国人を見られるようにはなった。

前置きはこれくらいにして、本書の話に入ろう。

本書は日本人と韓国人の考え方の違いを描いている。著者本人が韓国人で、日本に来て日本で働いているので、そこで感じた異文化体験をベースにして描かれているので、両国の人々の対比という点では説得力がある内容だと思う。先に知っていれば出張の時に参考になったかもしれないし、一時ヨン様に入れ上げていたうちの妻に対しても一矢報いることもできたかもしれない。比較文化論としては面白い。

ただ、途中からそれが韓国人特有の考え方や行動なのか、日本以外の世界中の人々には一般的な考え方や行動パターンなのか、峻別できないなと感じた。著者が「韓国人はこうする」と述べている内容を見ていると、「それって、インド人もそうですけど…」と妙な突っ込みを入れたくなった箇所が幾つかある。例えば、裏表紙にある「韓国人はこんなだ」という事例のうち、「友達の友達は、みな友達」とか、「変わらないルールは嫌い」とかは、インド人にもいえると思う。いや、「友達の友達は、みな友達」なんて、中根千枝先生に言わせればアジアはたいていそうだという。だから見も知らぬミャンマーやインドの人からいきなりフェースブックの友達リクエストが届いてしまうのである。

それとは逆に、日本人はこうだと述べているところにも、日本人だけがそうなのではなく、それが世界では一般的なのだと思わせられることがあった。著者はこの2カ国における自身の経験で語っているから、それを世界の中で位置付けて、どちらの国の人々のどのような点が世界から見て特殊なのか、といった考察はあまりされていないのが残念だ。

ただ、こうした雑学の類のものにちょっと目を通しておくと、普段職場の同僚や友人と出かけた酒の席での小ネタにはもってこいである。ちょうどこの記事を書いている前日のランチで、「韓国人は自分の誕生日に祝ってほしい親しい友人を招いて誕生パーティーを開くが、それは全部自腹だ」という話をした。勿論、「今日は私の誕生日だからご馳走してよ」といった誰かのエピソードも、そりゃ違うんじゃないのと突っ込みを受けたが(苦笑)。

この本を読んだら、「知らぬが仏」というところもあるなと思った。K-POPの女性グループも、入れ上げないで傍観しているのがいい。

それにしてもこの本の表紙、「韓国」といいつつ朝鮮半島全体が色を変えて描かれている。意味深だ。
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コメント 1

うしこ

確かに、Facebook で見知らぬインド人からの友だちリクエスト多いですね。
見知らぬ韓国人からは、あまりリクエストないような・・・?単純に頭数の問題かしら。
by うしこ (2012-03-24 05:29) 

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