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怒りを覚えるこの広告 [インド・トリビア]

今週、コベルコが日本経済新聞朝刊に1面ぶち抜きの広告を掲載した。なんと全面ヒンディー語のデヴァナーガリー文字で書かれていて、「KOBELCO」の文字がなければ何の広告なのかさっぱりわからない。これは何を狙っているのだろうと怪訝に思った。

その逆のことがインドで行なわれている。インドで最も発行部数が多い週刊誌の1つであろう『INDIA TODAY』に昨年頻繁に掲載されていたJX日鉱日石エネルギー(ENEOS)の広告で、英字紙なのに本当に読者に伝えたい広告文が日本語で書かれている。

EPSON001 (2).JPGENEOSは何を狙ったのだろうか。この雑誌の読者にどれくらい日本語がわかる人がいるのかはわからないが、多分そんなに多くはないだろう。だから、この広告を見たら、たいていの人の目が行くのは刀を振っている「サムライ」さんだろう。でもこのサムライ、何だか変だ。

手首に巻いている鋲付きの革製ブレスレットの問題ではない。
最大の問題は、このサムライ、刀を右手左手を逆にして握っていることだ。

最初、僕はこれはネガポジが逆になっているのかと思った。しかし、このサムライは胴着は左前にしてちゃんと着装しており、単にネガポジが問題なのではなく、そもそも刀の握り手が逆なのだ。しかも、よく見ると、刀のさやも体の右側に持っている。つまり、このサムライは、さやから左手で刀を抜いて構え、正眼に構えると右前足ではなく左前足になっている、僕らが剣道でやっていることや居合道でやられていることと全く逆のことをやっているのである。

剣道にだって逆二刀流はあるが、さすがにここまでの左右対称をやっている人はいない。目つきは鋭いが、正直このモデルはやっていることがデタラメだ。日本の企業が海外で広告を出すのなら、正統派の構えができるしっかりしたモデルを使って欲しかったよ。ブレスレットにもムカついたが、インド人がどのように刀を持つサムライをイメージしているのかがよくわかる広告ではある。

インドでインド人主体で製作された広告であろうと想像はするが、いい加減ENEOSの日本人従業員の誰かが気付いてちゃんと訂正して欲しいと思ったので、あえて掲載することにした。もう1年以上この広告は使用されている。
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アルマ

少なくとも剣道・剣術の類を経験した事のない人間が描いたのは間違いないですね。
日本語で書いてあって、誰を対象にしているのか・・・適当に作った感が否めませんね。広告費の無駄な気がします。
私が株主なら即やめさせますが(^_^;)
by アルマ (2012-01-15 16:07) 

降龍十八掌

左右逆は問題外かもしれませんが、正月に見た本当の武道研究家の番組で、実は本当の刀はゴルフのように両手をくっつけて握るのが正しいと知りました。
これだと、ゴルフと同じで手先でなくて体全体で振れるそうです。
今の剣道のように、両手を離して握るのは軽い竹刀だからできる道場剣法のようですね。
by 降龍十八掌 (2012-01-16 19:18) 

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