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『我が家の問題』 [奥田英朗]

我が家の問題

我が家の問題

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/07/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
平成の家族小説シリーズ第2弾!思い当たるフシ、ありませんか?
完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。「甘い生活?」
?やさしい夫は会社のお荷物社員だった。「ハズバンド」
?両親が離婚しようとしているらしい。「絵里のエイプリル」
突然、夫がオカルトに目覚めてしまった。「夫とUFO」
結婚して初めてのお盆休みはどう過ごす?「里帰り」
?妻がランニングにはまった本当の理由とは。「妻とマラソン」
誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。

お盆休み前に書店店頭で見かけて、できれば買いたい、でも読み終わった後どうする…てな葛藤をした後、結局買わずに我慢した1冊。その後も買いたい衝動に何度か駆られたが、その都度自分に言い聞かせ、近所のコミセン図書室に入庫するのをひたすら待ち続けた。本書自体は9月初旬には図書室には届いていたようだが、毎週月曜日に大学で講義を受け持っていた10~11月は週末にコミセンをのぞく暇すらなく、ずっと借りるタイミングを逸してきた。別に今暇になったわけではないが、自分の著書のゲラの校閲作業が週末に重なるようになると、24時間ガストで早朝作業をやっているだけでは作業が捗らず、土曜か日曜にコミセン図書室の自習室にこもる機会が増えた。それで息抜きで書架を物色していて、ようやく本書と巡り合った。

奥田英朗は幾つもの引き出しを持っている作家だが、『我が家の問題』は『家日和』から繋がる家族モノの系譜に位置する作品である。『家日和』はわりと好きな奥田作品の中の1つで、「あるある」感がとてもある。続編なのですぐにでも読みたいと思ったそもそもの理由はそこにあるが、たすきに書かれていた「どうやら夫は仕事ができないらしい」というキャッチにピピッときたというのが本当のところだ。

「ひょっとして、俺のこと?」―――ドキッといたしました。

僕の場合は、全般的に仕事ができないというよりも、仕事を取捨選択している感じで、気が乗らない仕事とノリノリの気分でやれる仕事のギャップがとても大きいというところが問題なのだと自己分析している。人によれば仕事ができると思われる方もいらっしゃると思うが、別の人によれば「あいつは仕事をやらない」と思われる方もいらっしゃるだろう。そういうものです。

そうでなければ、昨夜のように23時近くまで職場に残って残業などやりはしない。他人の書いた原稿を週明けまでにリライトするという作業で、285頁の原稿を220頁程度にまで圧縮をかけなければならない。相当に骨の折れる作業だ。こんな作業、執筆者本人か出版社にやってもらえばいいと思うのだが、そこは我が社の出版社原稿リライトに対する厳しい方針により、出版社に対して追加的な費用が発生するリスクを極力下げるための努力を先ずしておかねばならないのだそうだ。そのシワ寄せが僕のところに来ている。

(だったらこんな本読んで、記事書いてないで仕事やれと言われるでしょう。実はこの本自体はかなり前に読了しており、記事自体も先週下書きしてあった。今日この2パラを書き足して、ようやくアップすることになったのだ。)

話としてはたわいもないものが多かった。どこにでもあるような(?)話だと思う。それを上手く短編にまとめておられる。決定的なオチがあるわけではなく、なんとなくほのぼのした終わり方だ。多くの評者がそうであるように、僕のイチ押しも「妻とマラソン」。砲丸投げよりもランニングにハマる妻というのはわからんでもない設定。夫がN木賞受賞作家だとあるのは、奥田氏の奥様がこんな感じの人なのだろうかという勝手な想像を煽る。双子の男の子がいらっしゃるのだろうかとも。
タグ:奥田英朗
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