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落合監督の退団に思う [ベースボール]


23日(金)の新聞各紙の話題は、「落合退団」一色だった。それぐらいショッキングな出来事だったということなのだろう。いろいろなアンケートを見ていると「続投希望」の声の方がファンの間では優勢だったが、前半戦終了時のオーナー報告で落合監督の最大の理解者と言われていた白井オーナーが来季続投の確約をしなかったということだから、そのあたりでなんとなく、「落合監督は今季限りかも」という予感はしていた。「退団」自体は驚かなかった。むしろ、それをマスコミが「解任」と報じて煽っていたところには違和感はあった。

こんなことを書くとネット上の落合監督応援団の皆様の反撃に遭うかもしれないが、敢えて言えば8年も同一球団の監督を務めるケースは結構まれなのではないだろうか。巨人V9時の川上監督ぐらいしか思い浮かばないのだけれど。だから、「そろそろ潮時」というのは、球団側だけではなく落合監督ご本人にもあったのではないかと思う。

僕は特に今年の戦いぶりには相当なストレスを感じざるを得なかった。完封負けがやたらと多く、クリーンアップが全く機能しない。落合監督が起用に固執したグスマンも全く打てる予感がせず、ブランコも外角低めにスライダーでも放ってれば僕でも三振取れそうな気がするし、和田は二軍落ちだ。岩瀬が終盤に抑えで登板すると、ある程度の失点は覚悟せねばならない。

それでも勝って結果を出しているではないかと言われるが、僕はそれも怖い。去年堂上直倫を使い続けて育てたのに、今年はセカンド井端で開幕し、その後もベテラン起用が続いている。谷繁の後継捕手は育っていない。投手陣も、勝ちパターンだとはいえ、中継ぎ(鈴木、小林、浅尾)と抑え・岩瀬がほぼ固定されており、登板過多となっている。去年あれだけ活躍した高橋聡文が今年故障で全く使えなかったことを考えても、今の特定の投手に過度に頼った「盤石の投手陣」というのがどこまで持つのかは不安も大きい。

ベテランと特定投手に過度に依存した起用で、結果も出ているから文句は言えないが、細かく見ていくと、若手の野手や投手の起用はあまり行なわれていない。伊藤準規なんて、1軍帯同の割には登板機会が少ないし、中継ぎのロングリリーフ要員だった久本など、7月下旬に1軍合流して8月下旬に2軍に落とされるまで、登板機会が4回しかなかった。その間チーム成績はイマイチだったので登板のチャンスはあった筈なのに、それでも4試合だ。「ポスト落合」の幹部候補生というのが今のチームにどれくらいいるのかと見渡してみても、井上二軍監督や近藤投手コーチぐらいしか思い浮かばない。「ポスト落合」は立浪だと言われているが、その割には立浪をチーム内に置いて幹部教育を施しているわけでもない。ソフトバンクで王・前監督が秋山・現監督にすんなり引き継がれた流れが、「ポスト落合」に関してはイメージがしにくいのである。

要するに、今を勝ち続けることはできる監督・コーチ陣、選手起用にはなっているが、来季以降、5年後、10年後を見越した起用にはなっていないということが気になるのだ。

だから、佐藤球団代表が「新しい風」と言ったことに関しては、ある程度の理解はできる。

それが高木守道氏かというのには最初は驚いた。ただ、高木さんは前回の監督就任時、第1次星野政権で築いた基盤をうまく引き継いで山本昌・今中両左腕を立ててそこそこの成績はおさめられたので、今回も投手力という12球団一の資産を引き継いで何もせずともかなり戦えるのだろうと思う。(優勝争いには絡めるだろう。ただ、実際優勝できるかどうかという点ではかなり疑問だ。)

今回は高木さんも高齢だから、総監督的な立場で、前回にも増して独自色を出そうとはされないだろうと思う。だから高木さんがどうこう言うつもりはない。ただ、巷間言われているようなナゴヤドームの観客動員低迷が落合政権の問題だというのなら、悪いけど落合監督から高木監督になったぐらいでは観客動員数は伸びないと思う。ワクワク感のある選手起用をしてくれないとというのはある。球団経営の財政面での問題がネックになって白井オーナーも落合監督を庇いきれなくなったというのが実情らしいので、高木さんが言っているような「イチロー招聘」はイチローの高額年俸がネックになって実際問題無理だろう。年俸が10分の1になっても憧れのドラゴンズで選手生活を終えたいとイチローが言うのなら話は別かもしれないが(笑)。

ただ、ここまでは落合監督と契約更新しないという球団の方針を擁護する意見ばかりを書いてきたが、球団の姿勢にも誠意が感じられないところはある。観客動員に必要なあらゆる企業努力を球団がしてきたのかという点では疑問符が付く。福留がメジャー挑戦する際、球団幹部の心ない発言が福留の退路を断ってしまったというのは中日ファンの間ではよく知られている。福留は、カネの問題ではなく、球団から「お前が必要だから残留して欲しい」という言葉が聞けたら残留する気持でもいたらしいが、それを最初から「去る者は追わず」という素っ気ない姿勢を見せた球団の姿勢に幻滅してメジャー移籍を決意したと言われている。高木監督が福留を呼び戻したいと本当に思っているとしたら、先ずは選手に対する思慮に欠ける発言をするような球団幹部の意識変革を求めないといけないのではないだろうか。球団に不満を感じていても、監督が落合氏だったから残留してここまでやってきた選手は今のチームにはけっこう多いと思う。

さらに言うと、落合監督が言う「勝つことが最大のファンサービス」という点についても、僕は支持はしたいと思っている。特定の選手に過度に依存した起用になっているけれど、結果を残しているから僕は応援する気持ちになれる。単にナゴヤドームの観客動員数で見られるなら、僕のように名古屋近辺に住んでなくて、その上海外駐在もしたりしているファンなどファンと呼ばれないのかもしれない。東京に住む今なら、せいぜい東京新聞を購読して、ポケラジで試合経過を追いかけて一喜一憂するぐらいしかない。そんな僕が最も通いやすいのは神宮球場だが、たいていの場合はドラゴンズはヤクルトに勝てないのであまり行ってない。そんな中途半端な奴でもファンはファンなのだ。いや、東海地方に住んでなくて、そうそう頻繁にナゴヤドームに足を運べず、ラジオやテレビ、新聞での試合経過と結果に一喜一憂しているファンとしては、やっぱり勝って欲しいのである。勝ち方はどうあれ、勝って欲しいのだ。

球団幹部の方々には、ナゴヤドームに足を運ばない人はファンとは呼べないというような姿勢で僕らを見て欲しくない。

ファンを球場に呼び戻すには、強いチーム、ワクワク感のある選手起用といったグランドでの努力だけではなく、球場の魅力を高めるような工夫・努力が必要だと思う。選手のやる気を引き出すような取組みは球団にも求められるし、さらには球団自身が球団の価値を高める努力が必要だと思う。

最後に落合監督について。勝つということにとことんこだわった選手起用という点では今や球界随一で、単に中日球団の宝というに及ばず、日本球界全体の宝ともいえる人材だと思っている。五輪やWBCで日本代表監督を務められないかなと思うし、その準備のためにも、パリーグの球団の監督をやって結果を出される姿も見てみたいと思う。梨田監督退任が発表されている日本ハムの監督なんてどうでしょうか。日本ハムOBですし。千葉ロッテでもいいですけど。間違っても、セリーグの球団の監督はやめて下さいね。(半分冗談だけど、落合さんがシアトル・マリナーズの監督になったら、あのチームがどう変わるのか、見てみたい気もする。)

長々と失礼しました。
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コメント 2

don

こんばんは!
他球団のファンからすると、ありがたいです^^

若返りは必要なのかもしれませんが、落合さんを
阪神の監督に欲しいです。
野村さんが認めた監督ですから(奥さんが同じタイプだからか^^)
by don (2011-09-24 22:28) 

liu-gotoo。

Sanchaiさんの意見、とっても理解できました。

私も落合監督支持派で、勝つのがファンサービスという
考え方は大賛成です。
観客動員数が伸びないのは、おっしゃるように
ドラゴンズの営業努力が足りないからと思ってます。

何だか、フロントの姿勢に不満を覚えてしまいました。
by liu-gotoo。 (2011-09-26 00:49) 

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