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この爺さん、やっぱり逮捕 [インド]

社会活動家を拘束 支持者が大規模抗議行動
毎日新聞 8月16日(火)19時29分配信
【ニューデリー杉尾直哉】 インド政府の腐敗・汚職問題を追及してきた社会活動家、アンナ・ハザレ氏(74)が16日早朝、ニューデリーの自宅で警察に拘束された。ハザレ氏はこの日、腐敗に抗議する大規模ハンスト集会をニューデリーで計画していたことから、拘束はハンスト阻止が狙い。反発したハザレ氏の支持者は国内各地で抗議運動を展開し、支持者グループによると、約4000人が当局に拘束されたという。
 インドでは昨秋以降、現職閣僚らが関与した大型汚職事件が相次ぎ、政財界を揺るがしてきた。市民の立場から腐敗批判の先頭に立ってきたハザレ氏の拘束は政府への反発を招きかねず、シン政権は対処に苦慮しそうだ。
 当局はこの日、ハザレ氏が抗議集会を計画していたニューデリー中心部の広場一帯を、5人以上の集会を禁ずる地区に指定した。現場には警察官が大量に動員され、デモに参加しようと訪れた市民を次々と拘束した。
 ハザレ氏の支持者団体の幹部、プラシャント・ブシャン氏は「平和的なデモを当局側は許可しない。これが世界最大の民主主義国といわれるインドの実態だ」と語った。
 ハザレ氏は4月に大規模なハンスト集会を実施し、政権側に腐敗防止法の制定を約束させた。政府は法案を議会に提出したが、首相や裁判官らが処罰の対象から除外された内容だったため、ハザレ氏側が批判していた。

先月の下旬頃、インドの「ロクパル法案」(市民オンブズマン法案)について紹介する記事を書いたことがある。その中で、僕は、アンナ・ハザレという市民活動家が宣言通り8月16日から無事(?)にハンスト突入できるかどうかが今は焦点だと書いたわけだが、案の定、マンモハン・シン政権は彼がハンスト突入する直前に拘束するという行為に出た。
「市民オンブズマン法案の行方」の記事についてはこちらをクリック!


先日、NHKの報道局国際部の方にお目にかかる機会があって、インドで今注目の話題ということで新任のこの方にロクパル法の行方についてブリーフィングをしたことがある。その甲斐あってかどうかはわからないが、NHKはこの話題をしっかり報道でフォローしてくれていて、拘束から24時間経過した現在までに、2度にわたってこの件をテレビで報じている。いつまでリンク貼ってくれているかわからないけれど、一応URLは以下の通りです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110816/k10014945421000.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110817/k10014952731000.html

まあ最初からこうなるんじゃないかと予想はついていたし、逮捕されることを最初から想定してハザレ氏も行動していたとしか思えないふしがある。ハンスト準備もやり方があった筈で、なんで馬鹿正直に宣言通りにハンスト突入しようとするかねと苦笑いもしたくなる。政府側も政府側で、やると言ってるものをなんで直前まで放置しておいて当日朝に拘束するかね。なんだか出来レースのような印象だ。NHKは警察がハザレ氏釈放を決めたことも報じているが、そう来るなら釈放拒否して拘置所に留まるという選択を彼がするであろうというのも予想できたことだ。

確かに汚職は無くなって欲しいと僕も願っているが、こういう「死ぬまでハンスト」的なことを公言してハンストを始めた挙句に外からの働きかけを口実にしたり、はたまた外部からの圧力によって強制中断させられたりして、数年して振り返ってみたら「あのハンストは何だったんだろうか?」とわからなくなるまことグレイな決着になるのではないかと思う。テランガナ州独立を要求して2009年12月に無期限ハンストをやったTRS党のK.チャンドラシェーカー・ラオ党首なんて、結局今も健在だが、テランガナ地方の州格上げの要求は現在も宙ぶらりんのままであり、結局あのハンストは何だったのかと首を傾げたくなる。出張中だった僕らをハイデラバードで足止めさせるためだけにハンストやったんじゃないのかと勘繰りたくもなる。

無期限ハンストなどと過激なことを言っている割には、本当に過激で悲惨な結末にならないところがインドなのではないだろうか。そんな一種の「予定調和」をまた見せられた気がして、アンナ・ハザレという人物に対して少しばかり嫌悪感を募らせた。
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