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サトウキビから砂糖を作る [出張先にて]

*この記事は、ブログの予約投稿機能を使って書いています。この時刻にPCの前に向かっていたわけじゃありませんから念のため。

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訪問先のインド・カルナタカ州マンディア県は、バンガロールからマイソールに向かうハイウェイの沿線に位置する。カーヴェリ川を水源にした灌漑水路が発達していて、緑が豊富な農業県だ。作付は稲、サトウキビが目立ち、所々に桑畑ばかりが集まった養蚕集積地帯があり、その他にもジョワール(粟)が所々で作られていた。6月中旬のこの時期は、稲刈りが始まる直前のようで所々で稲刈りの風景も見られる。サトウキビは1回植えておけば15~18ヵ月で収穫でき、その後同じ株から何度でも生えてくる。

ある養蚕農家を訪ねてみたところ、ちょうどサトウキビから蔗糖を作る作業を家族総出でやっていた。一瞬「児童労働か」と思ったが、よくよく考えたらこの日は日曜日で、子供たちは家のお手伝いをしていたというわけ。7エーカーの土地持ち。うち4エーカーをサトウキビ栽培に、2エーカーを桑栽培に充てていた。

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大鍋が3基並べられていて、サトウキビから抽出した樹液を煮込んで徐々に徐々に濃縮していく。奥の鍋の方が高い位置に置かれていて、鍋を移しやすいように工夫がされている。燃料に使われているのはココナッツの実やサトウキビの搾りかす。このあたりならどこにでもある材料で、特にサトウキビはそこらじゅうに積み上げられて乾燥させられていた。

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濃縮された黄色いカラメルは、手前の鍋の横に置かれた浅めの水槽に移され、そこで固まってきたら角切りにされる。布で濾してバケツに入れて固めるというのもあった。蔗糖は1キンタル(100kg)2,000ルピーで売れるという。売上としてはいいのだろうか。1kg20ルピーの計算だが、この辺で養蚕をやって良い繭ができれば、その日の市場取引価格にもよるけれど、1kg200ルピー以上で売れる。どちらがお得なのか、その場でさっと計算はできなかった。

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このジャゴリを溶かしてレモンと香辛料で味を調えたドリンクを飲ませていただいた。スパイスの効いたレモネードを飲んでいるような感じで、甘ったるさはあまり気にならない。肝臓にいいそうです。だからといってコップ1杯飲み干すと、次から次へと柄杓で追加されるので、3杯目ぐらいからはきつくなってくる。手にかかるとけっこうべたつく。やはり砂糖は砂糖ということですね。

このジャゴリは来客の際に客へのもてなしとして出される習慣がこの地域ではあるそうだ。別の農家ではブロックで出されたこともある。少しだけでもつまんで食べるのが礼儀だと思って食べてみたが、まさに砂糖の塊だった。

この農家には養蚕経営の話を聞きたくて訪問した。上蔟器(まぶし)をご近所の養蚕農家と融通し合っているやり方の実態について聞けて、とても勉強になった。
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