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『コンサルタントの「質問力」』再訪 [読書日記]

コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書)

コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書)

  • 作者: 野口 吉昭
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2008/03/19
  • メディア: 新書
内容紹介
 聞きたいことがなかなか聞けずに話が終わってしまったり、的外れな質問をしてその場をしらけさせてしまったりしたことが、誰にでもあるのではないだろうか? 優れた「質問」の能力は、多くのビジネスパーソンに求められているもの。その「質問力」をもっとも必要とされる職業の一つがコンサルタントだ。コンサルタントは優れた質問により、短時間でクライアントの信頼を得て、彼らの抱える問題の本質を探り出さなくてはならないからだ。
 本書はこの「質問力」をテーマに、優れたコンサルタントが人と話をする際の、思考の流れと質問のテクニックを説くものである。
 短時間で相手の気づきを生み出す「仮説力」、問題の真因を引き出すための「本質力」、そしてゴールに向かって質問を進めるための「シナリオ力」の3つの視点で、プロの質問力とはどういったものかを解き明かしていく。
この本は、今からちょうど3年前に読んでいる。インド駐在中の頃で、一時帰国中の日本で買ってインドに持ってきて、僕はてっきりそのままインドに置いて去年日本に帰ったと思っていた。でも内容が惜しいのでブックオフで同じ本を1冊購入したところ、なんと同じ本が自宅の棚に収まっていたのに気付いた。インドに置いてきたと思った本は、日本に持ち帰っていたのだ。自分の忘れっぽさにはつくづく呆れる。

まあそんなわけで、自宅に2冊置いておいてもしょうがないので、今回インドに来るのに1冊携行し、読んでインドに置いてこようと考えた。今回の南インド行ではまさに「質問力」が問われる(僕はコンサルタントじゃないですが)。本書を読み直して復習しておこうとも考えた。

本書の紹介は前回のブログ記事でも十分でしょう。下記URLをご参照下さい。
http://sanchai-documents.blog.so-net.ne.jp/2008-06-26


「読書日記」なのだから実際に今僕が感じていることを書いておこう。

本書で書かれていることは実際に訪問先でインタビューを試みるときには必ず踏まえておかなければならないもので、特に「仮説力」というのは必須だと思う。仮説がなければ調査が膨大なものになってしまうし、迷走もするだろう。セカンダリーデータを利用して仮説構築を図り、調査項目をある程度絞り込んでおくことが必要だという指摘はごもっともで、僕もそれは国内で相当準備して今回は南インドに来ているつもりだった。

ところが実際に来てみて、時々難しさを感じることがあった。先ず、僕が読み込んできたのは主に日本人が書いた日本語の資料だったので、こちらで英語で説明をして下さる方々の言ってることがスムーズに頭に入ってこないことが多い。インタビューする相手の多くがその道の専門家であり、皆さん専門用語を入れてお話しされる。日本人が書いた資料のほとんどは2007年までのもので、その後の展開を追いかけている資料は日本にはないため、ウェブ上で探す努力はしたものの、必ずしも十分ではなかったかもしれない。お蔭で、2007年以降4年間に南インドで起きていたことについて説明を聞いてもなかなか理解できなかった。

英語で質問しているが、相手が(インド人特有の早口で)話してくれることにちゃんとついていけていないと、次の質問が繰り出せない。そんなもどかしさをずっと感じ続けている。

第2に、聞きたいことがわかっているのにそれを適切な「質問」に落とし込めないことである。ストレートに聞いても漠然としていて答えるのが難しい質問だとわかっているので、できるだけ具体的な場面を想定して「その時その人はどう行動したか」「その時その人は何を言ったか」といった事実を聞く質問にしていくべきだと頭ではわかっていた。それがなかなかうまくその方向に持っていけないのである。

もう1つの例は相手の収入を聞く質問だ。相手に「年収」を聞いても誰か他の人が同席していたら相手は答えにくいだろうし、ましてや農家の人なんかは季節によって収入が変動するので年間収入なんて計算することは少ないだろう。だから、繭のように南インドなら通年で作れるような産品の1回の売上高と年何回飼育しているのかを聞いて年間売上高が幾らぐらいになるのかを想像するよう自分なりの工夫をしてみた。また、農家の生活の変化を聞くのに、過去5年間に発生した大きな支出が何かを尋ねるようにしてみた。でも、現在までのところは何となくしっくりこないもどかしさがある。

第3に、仮に首尾よく気の利いた質問ができたとしても、間に通訳を挟むと余計な解釈を挿入するリスクが高いという苦い経験を今している。僕はカルナタカ州の言葉(カンナダ語)ができないので、中央蚕糸局(CSB)を退官されたシニアの方に通訳をお願いして同行してもらっている。英語⇔カンナダ語の通訳だ。ところが、僕がした質問が短いのに、通訳の方が農家の方に質問するとすごく長い文になっている。逆に農家の方が短い言葉でしゃべっているのに、通訳の方を介すとすごく長い答えに変わって英語で僕のところに返ってくる。僕の期待通りに通訳していないのがもろにわかってしまう。この方も養蚕の専門家だからいろいろ解釈を入れたくなる気持ちはわかるのだが、別に僕は通訳の方と対話をしたいのではなく、養蚕農家の方と話をしたいのである。僕が農家の方を向いてインタビューしているのに、農家の方が通訳の方ばかり向いているのはおかしい。さすがに昨日(18日)は僕も苦情を言った。

これでいいのだろうかと自問自答、悪戦苦闘の日々だ。
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コメント 1

yukikaze

難しいですね。言葉…特に専門用語はわからないことが多いですね…。
by yukikaze (2011-06-20 11:25) 

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