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我、インドを愛すがゆえに [シルク・コットン]

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For the Love of India: The Life and Times of Jamsetji Tata

  • 作者: R.M. Lala
  • 出版社/メーカー: Viking
  • 発売日: 2004/05/30
  • メディア: ペーパーバック
以前、『タタ財閥』をご紹介した際に、併せてルッシィ・M.ララ著の本書についても言及した。いずれ現物を入手して読んでみたいと思っていたのだが、インド在住の知人に購入してもらおうとお願いしたけれどもうまくいかず、結局自分でアマゾンで注文して購入することにした。ようやく入手はしたものの、僕が元々知りたいと思っていた初代ジャムシェトジー・タタの1893年の訪日時の行動と、1900年前後にバンガロールで操業していたと言われている「タタ・シルク農場」、そしてその農場に招聘されたという日本人技術者夫妻などについては、前回ご紹介した記事以上の記述はなかった。ちょっと肩透かしを喰らった気分。

ジャムシェトジー・タタが、当時衰退していたマイソール藩王国の養蚕を再興し、蚕糸学校を設立してインド国内各地から研修員を受け入れて養蚕農家や製糸業者の人材育成に力を入れたことなどは、ララによると現代のインド人には殆ど知られていないという。ついでに言うと、ジャムシェトジーはボンベイで綿花商をやっていて、欧州系の外商に牛耳られていたインドの綿花輸出構造を打破して民族系商人の活躍の余地を拡大しようとした人で、それが1893年の日印定期航路の開業に繋がったのだが、綿花栽培自体をインドで振興したのもジャムシェトジー本人らしい。

必要な章しか読んでいないが、比較的読みやすい文章で、各章のボリュームもそれほどないので、今個人的に取り組んでいるS.D.ゴカレ博士の本の翻訳が終わったら、次のプロジェクトとしてこのジャムシェトジーの伝記を翻訳してみようかと漠然と思っている。

*ジャムシェトジーが中興の祖となった南インドの蚕糸業の今を見るため、今日からインド取材旅行に行ってまいります。ネットの繋がらない農村部にも何日かは滞在する予定です。更新が不定期になってしまいますが、どうかご容赦下さい。
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nmzk

どうぞ気を付けて、行ってらっしゃ〜い。
by nmzk (2011-06-12 20:07) 

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