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にわかコーヒー党 [趣味]

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16日(土)の話である。我が家の近所にある中近東文化センター附属博物館で、「珈琲がやってきた-中近東、ヨーロッパ、そして日本-」という企画展示が始まったので、家族全員で自転車で見学に出かけた。この企画は、本来なら3月19日スタートの筈だったのだが、東日本大震災の影響で延期になり、4月15日から開館となったもの。
 標 交紀(しめぎ ゆきとし)氏は、自家焙煎の珈琲店「もか」を1962年から吉祥寺で営業され、多くのコーヒー愛好家に親しまれましたが、2007年12月に逝去されました。中近東文化センター附属博物館は、2009年3月8日に標氏が蒐集したコーヒー関連の美術・工芸品、約250点の寄託を受け、「標交紀「もか」コーヒーコレクション」として、展示しております。
 標氏の著書『珈琲の旅』(みづほ書房)には、「ダイヤモンドのコーヒー」と呼ぶ美味しいコーヒーを求めて、ヨーロッパを旅行した様子が記されています。標氏は生涯をかけて、世界中のコーヒーを探求し、その際に出会った多くの優れたコーヒー関連の品々を蒐集されました。そのコレクションによって、中近東地域に遡るコーヒーの歴史を知ることができます。そして、その品々を見ることによって、伝説的なコーヒー人である標氏のコーヒーにかける情熱が伝わってきます。写真のウィーン、コーヒー伝来300周年記念人形は、「もか」の店内に長年置かれ、多くの来客を迎えてきた標コレクションを代表する作品です。

*博物館HPより
元々三鷹が地元であるうちの妻に聞いたところ、吉祥寺の「もか」という珈琲店は井の頭公園の入口近くにあったという。結構なコレクションで、よくぞまあこんなにいっぱい集めたなぁと感心する展示である。標氏は世界中旅したとあるけれど、さすがにコーヒーよりもチャイの方が元々盛んだったインドにはお越しになられていない。

ここの展示を見て初めてわかったのは、昔の中近東でのコーヒーは柄の付いていない小さな陶器のカップで飲まれていたということと、それが伝わった欧州でも、柄の付いたコーヒーカップを作れる技術がなかったので、17世紀後半に日本の有田に注文があり、そこで生産されるようになったのだということである。つまり、世界で初めての柄の付いたコーヒーカップは有田焼のメイドインジャパンだったということだ。

最近はインド人もチャイよりもコーヒーを飲むハイソな方々が増えてきており、気合いを入れてアポ先の面談に臨むと、こちらが身を乗り出してそれではビジネストークを喋りはじめるやいなや、相手のインド人は「ティー?コーフィー?」といきなり話の腰を折り、こちらの勢いを削ぐ―――こんな光景は今のインドでは日常茶飯事である。これをやられると、どこまで話したのかがわからなくてまたゼロから説明し直しとなり、さあ本題と思う頃には頼んだティー/コーフィーが出て来てそこでまた話が中断、そしてまたゼロから説明し直しとなり、さあ今度こそ本題と思う頃に相手がまた「ティー/コーフィーが冷めるからはよ飲め」と言って話の腰を折る。こんな調子で説明をさせられた挙句、相手は「わかった、わかった。ノープロブレム」と言うから、本当にわかったのかと思って信用すると、後で手痛いしっぺ返しを喰らう。だいたい、客人に茶をすすめることの方に気を取られているから、相手の話をほとんどちゃんと聞いていない。それがインド人です。

スイマセン、そんな話をダラダラ書くためにこのネタ準備していたわけではありません。

実は、ここ数週間のうちに見られるようになった我が家の習慣の大きな変化の1つに、僕がやたらとコーヒーを自宅で飲むようになったことが挙げられる。ほとんどお茶代わりに近いほどの飲みっぷり。飲むと目が冴えて眠れなくなる我が家の女性陣を尻目に、僕はそういうことが全くないので、飲んでいても眠るときは眠る。ドリップ式で、粉から香りの高いコーヒーを抽出するのはとてもよい気分転換になる。元々僕はオフィスからの帰路に最寄り駅近くの隠れ家的喫茶店で1時間ほど読書をしてから家路につくというパターンが多かったのだが、こうやってコーヒーを入れながら、喫茶店で読み切れなかった読書の続きをやるのである。

でも、こんなにわかコーヒー党が出てきたからかどうかは知らないけれど、世界的にはコーヒーの市況が高騰していると聞く。昔は採算が取れなかったケニアのコーヒー農家でも生産がペイするようになってきたらしい。インドのように中所得者層が厚みを増してチャイに代わってコーヒーを指向する連中がもっと増えてくると、世界のコーヒーの受給はますますひっ迫するに違いない。

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