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12億1000万人 [インド]

3年近く前に、「首都では女児はお呼びじゃない」という記事を掲載したことがあるが、先週末、突如としてこの記事へのアクセスが急増し、驚いたことがあった。背景を調べていくと、AFPが去年3月に報じたニュースに僕がこのブログ記事からリンクを張っており、それを辿って僕の記事をご覧になった方が多かったようなのだ。

この問題に関心を持って下さる方がこれだけ多いというのはある意味嬉しいことなのだが、1991年の経済自由化後悪化の一途を辿っている男女比の不均衡には歯止めがかかっておらず、長期的に見てどのような影響があるのかについては要注意である。そうした予測をしている論文でも見つかったらまたご紹介したいと思う。パンジャブ、ハリヤナ、デリーといった、ターバン巻いてそうな人が多く住んでいる地域で特に数値が悪いわけだが、この極端な不均衡は、10~20年後には極端な嫁不足も引き起こしそうだ。

インドの人口12億1000万人に、男女比は最悪レベル
2011年4月1日(金)、時事通信
【ニューデリー31日AFP=時事】インドの人口が12億1000万人であることが、31日明らかにされた国勢調査の暫定集計値で分かった。人口の男女比の不均衡はこれまでで最悪レベルになったという。
 人口は2001年の10億2000万人から大幅に増加し、米国、ブラジル、インドネシア、パキスタン、バングラデシュの合計よりも多くなった。一方、子どもの男女比は男1000人に対し女914人で、独立した1947年以降で最悪を記録した。
 インドでは超音波スキャンを使った男女産み分けのための中絶は法律で禁じられているが、母親たちは将来の稼ぎ手、家長となる男児を産むよう強い圧力にさらされる。男女平等を訴える活動家らは、しばしば経済負担とみなされ生後に養育を放棄される「望まれなかった娘たち」が人口の男女比不均衡の原因の一端だと指摘する。アジアでは性差に基づく大量殺人が議論の的となる社会問題の1つで、国連によれば何百万人もの女性の消息が事実上分からない状態となっている。
 インド国勢調査は昨年4月に始まり、今年中に最終集計結果が公表される見通し。中国が先月明らかにしたところでは、同国の人口は昨年630万人増え、同年末現在で13億4100万人と引き続き世界一。 〔AFP=時事〕
日本では男女比の不均衡の方がスキャンダラスに報じられてしまっているが、先週の報道で僕が注目したのはむしろ総人口の方で、今まで「11億人」と言ってきたインドの人口の描き方も、これから数年は「12億人」に改めなければいけないのだなというのを確認した。国勢調査自体は1年以上前から進められてきていたもので、今後集計結果が発表されれば、州別高齢化率や高齢者人口の増え方など、1991年センサス、2001年センサスとの比較でいろいろと見えてくるものがあると思う。

最近読んだ論文の中に、1947年のインド独立当時の総人口が4億人強だったというのを見つけた。今の半分以下の人口だったわけで、道理で1950年代のデリー・コンノートプレイスの写真がとても綺麗だったわけだと改めて思った。

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《コンノートプレイスの昔と今》

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orange

昨日、たまたま入ったレストラン。
デリー出身のインド人のお店でした。
その場で作って焼いてくれるナンが美味しかったです。
彼は英語も??日本語も??で結局メニューを指差し注文。
ここはどこの国?と思ってしまいました。え、大阪中央区です。
niceありがとうございました。
by orange (2011-04-10 21:14) 

toshi

たしか、2000年の5月にインドの人口が
10億を突破したという記事を見た記憶があります。
もう12億を突破していたんですね。
凄いです。
by toshi (2011-04-11 05:01) 

yukikaze

私が学生のころにはインドは8億人と習ったのですが、いやはや増える国は増えるんですね…。我が国は減少局面だというのに…。
by yukikaze (2011-04-11 09:52) 

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