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70年代深夜放送伝説 [読書日記]

セイ!ヤング&オールナイトニッポン70年代深夜放送伝説

セイ!ヤング&オールナイトニッポン70年代深夜放送伝説

  • 作者: 文化放送&ニッポン放送&田家秀樹 編
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2011/01/22
  • メディア: 単行本
内容紹介
67年に産声をあげたオールナイトニッポン。 69年にスタートしたセイ!ヤング。
 あの頃、若者たちは深夜放送に夢中だった。受験勉強のフリをしてラジオに耳を傾けた。その日の放送を聞き逃したら、翌日は友達の話題についていけず寂しい思いをした。無名のパーソナリティはリスナーの代弁者として一躍ヒーローになった。深夜放送を通じてパーソナリティとリスナーが一体となり、笑いも喜びも悲しみも孤独も共有した。そしてそこは最新カルチャーの情報発信源として社会現象に。 それはまさにラジオだからできた深夜の革命だった
――深夜放送の黄金時代である1970年代に、その人気を二分した『セイ!ヤング』と『オールナイトニッポン』。本書では“深夜の顔”として絶大な人気を誇ったパーソナリティが勢揃い!さだまさし、谷村新司、泉谷しげる、南こうせつ、カメ&アンコー、みのもんた、吉田照美のロングインタビューに、「レモンちゃん」の愛称で親しまれた落合恵子の特別寄稿、あのねのね、笑福亭鶴光、かまやつひろし、せんだみつお、甲斐よしひろ、所ジョージ、イルカ、なぎら健壱、稲川淳二らの貴重な証言が満載。あの名物コーナー「天才・秀才・バカ」も復活!「深夜の解放区」が生んだ興奮と熱狂が今、ここに蘇る!
ラジオファン必携の愛蔵本です。
21日(月)、職場の中年おじさん3人プラスボニータ1人でカラオケに出かけた。若い人がいると「その歌知りません」と言われてしまうような70年代フォークや歌謡曲を思う存分歌えて、なかなかのストレス発散機会にはなった。西城秀樹「ギャランドゥ」、ピンキーとキラーズ「恋の季節」、甲斐バンド「氷の唇」、バンバン「いちご白書をもう一度」、風「22歳の別れ」、かぐや姫「赤ちょうちん」、アリス「冬の稲妻」、チューリップ「虹とスニーカーの頃」等々。知ってる人は知ってるが、1970年代後半に生まれた人はぎりぎり間に合っても絶対記憶には残っていないであろう曲ばかりを選曲して歌った。こういう集まり方もいい。

さて、本日ご紹介する本は、電車でSPAの中刷り広告を見てついつい買ってしまった。懐かしいですね、「オールナイト・ニッポン」(以下、ANN)。僕はまさに1970年代後半に中学高校を過ごしたので、深夜放送をまともに聴いて青春時代を送った。鶴光や松山千春、中島みゆき、くり万太郎のANNは夜更かしして結構よく聴いていた。僕は岐阜で中高生生活を送ったので、土曜深夜の鶴光のANNは4時間聴けたが、平日深夜のANNは第1部しか知らない。また、「セイ!ヤング」に至っては、受信状態の悪い文化放送にチューニングして何度かオープニング曲を聴いたことはあるが、無理してまで聴こうとは考えなかった。大阪毎日放送の「MBSヤングタウン」も同じだ。

無理して「セイ!ヤング」や「ヤンタン」を聴いたりする必要はなかった。故郷で僕が聴いていたCBSラジオでは、ANNの前の時間帯で「ジョイジョイナイト」、「ジャスト・リクエスト」、「星空ワイド・今夜もシャララ」等が放送されており、番組終了後大石吾朗の「コッキーポップ」が30分あって、その後ANNだった。この間を続けて聴くのがポイントだった。クラスメートの多くがこのパターンを聴いていたので、朝学校に行くと「あれ聴いたか?」という話題に必ずなった。ラジオは時代を共有するのに必須のメディアだった。(ついでに言うと、僕が当時深夜放送を聴くのに使っていたラジオは東芝のTRY-X2000だったが、なんとこのラジオは今も健在で、最近僕がよく聴いているTBSの「DIG」も、この古いラジオで聴いている。長持ちだね。)

そんなわけで、同じフジ・サンケイグループだとはいえ、ANNと「セイ!ヤング」をドッキングさせるのはやめてほしかったなと思う。世の中には、ANNは聴いていても、「セイ!ヤング」は聴けなかった地方出身のオジサンが結構いるのだ。また、僕はANNは1975年からしか聴いてないので特に感じるが、本書のANN紹介の重点は1967年10月の放送開始から70年代前半までに重点が置かれており、少しズレも感じた。だから、ANNだけで1冊に纏め、松山千春や中島みゆき、つボイノリオ等のインタビュー記事も取り上げてくれていたら、ちょっと印象も変わっていたかもしれないなと思う。

本書を読んで、懐かしかったのでYouTubeで鶴光のANNを聴いてみた。丁度キャンディーズ引退1ヵ月前の放送で、キャンディーズの3人がずっとアシスタントを務めたが、いやはや今だったら女性タレントにセクハラで訴えられるような発言を鶴光は連発しているし、投書もそういう下ネタが非常に多いという印象を受けた。ランちゃん、スーちゃん、ミキちゃんが、鶴光の下ネタ話に「やだ、鶴光さ~ん」と恥じらいながらも艶かしく応答しているのがとても新鮮だった。今だったら自主規制でがんじがらめになっていて絶対にあり得ないので、昔はおおらかだったなぁと懐かしくなった。

今だから言うが、日曜早朝、鶴光のANNを聴き終わった後、僕はなぜか自宅を抜け出し、自転車をこいで当時好きだったクラスメートの女の子の家の前まで行ったことが何度かある。特に理由はない。午前5時に出かけて戻ってきた頃には両親も起きている時間帯で、悪さなど考えようもなかった。日曜午前中はもっぱら睡眠に充てていたのは言うまでもない。

気がつけば、僕が深夜放送を聴き始めた年齢にうちの長男が達している。最近勉強が大変なようで、深夜1時や2時まで起きていることが多くなってきた。静かに勉強しているようだが、ラジオを聴いたりはしていない様子である。今はネットもあって、動画サイトもあるので、ラジオじゃないのかもしれないが、翌朝眠い目をこすりながら学校に行き、「あれ聴いた?」なんて話題で盛り上がることはないのかなと思うと可哀そうな気はする。
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