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高齢社会フォーラム・イン・東京 [少子高齢化]

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ネタとしては少し古くなってしまって恐縮ながら、去る7月20日(火)、内閣府主催、高齢社会NGO連携協議会(高連協)共催のシンポジウム『平成22年度高齢社会フォーラム・イン・東京』を見学しに行ってきた。会場は平河町の日本都市センター会館だ。

パンフレットには、フォーラムの開催目的を以下の通り書かれている。
 2002年スペインのマドリッドで開催された国連主催の「第2回・高齢化に関する世界会議」に160カ国の政府とNGOの参加をみたように、高齢化問題は21世紀の国際的課題です。とりわけ、世界で最も高齢化が進んだ我が国「日本」の高齢社会への対応対策には国際的関心が寄せられているところです。(中略)
 このため内閣府と高齢社会NGO連携協議会は、高齢社会の課題とされている高齢者五原則の中で最も必要とされるシニアの社会参加活動の推進を目的に当フォーラムを開催いたしております。(中略)
 また、このフォーラムは、全国各地で様々な社会的活動を実践されているシニアの方々、並びに、活動したいと思考しておられる方々が一堂に会して、情報交換と課題討議(分科会)を行うことにしております。
今年のテーマは「少子高齢社会におけるシニアの役割」とあり、地域社会の中でシニアの方々に役割を担っていただける取組みのうち、全国的にもベストプラクティスと思われるものが何か、できれば掴んでおきたいと思って僕も参加してみることにした。

当日は午前中が全体セッションでさわやか福祉財団の堀田力理事長の基調講演と内閣府高齢社会対策担当の本田参事官による「平成22年度高齢社会白書」の概要説明が行なわれ、昼食を挟んで午後のセッションは5つの分科会に分かれて全国各地で行なわれている様々な取組みの当事者の方々をパネリストに招いて事例紹介が行なわれた。僕は第4分科会「高齢者が孤立しない、させない地域社会」というのに出た。以下はその中でも気になったポイントのメモである―――。

1)全国各地の様々な取組みの報告があった中で非常に強く印象に残ったのは、報告された方の殆どが女性で、逆に会場に来られている方の半数以上が男性であるというコントラストだった。高連協の樋口恵子共同代表がいみじくも仰っていたが、樋口先生の提唱する「人生百年型社会」において、その実現のカギは男性にある。元々男性は会社勤めをしていて地域との関係が希薄であったため、定年後の地域の中での「居場所」の確保には困難を伴うという。実際に活動をされているのが女性が多くて、男性はどうしたらいいのかを模索してこういうシンポジウムにも顔を出されるのかなと思った。

2)樋口恵子先生のお話の中で他に印象に残っているのは、①定年を迎えてもシニアの方の中には「何か地域のお役に立ちたい」という気持ちがあり、老人クラブによる地域の子供達の見守り活動等、参加の機会を考え得る、②「縦の多様性」、即ち世代間の交流を促進して「違い」を力に変えていく社会的実験のスケールアップの必要性、等である。

3)堀田力先生の基調講演(上写真参照)は堀田先生の巧みな話術に引き込まれるような内容だったが、とりわけ印象的だったのはさわやか福祉財団が行なってきた「名刺両面大作戦」のお話だった。少し前にブログでも書いたが、会社名と会社での肩書でモノを言わせる名刺ではなく、自分がどんな社会活動に関わっているのかで紹介する名刺が必要だというのも最近僕が感じていることで、堀田先生の提唱されている「裏面に書き込めることを増やしていこう」というのはそれと通じるところがある。堀田先生はこの運動を普及するために山手線一周辻立ちというのを実践されているそうだが、そこで感じられたのが中年サラリーマンの参加の低調ぶりで、現職サラリーマンを地域活動に引っ張り込むのは依然大きな課題だということだった。

4)もう1つ堀田先生がおっしゃっていたことで印象的だったのは、「高齢者の介護が上手いというだけではアマチュアの福祉で、待って待って本人にやらせるように仕向けることこそプロの福祉」だというお言葉だった。言い換えると「生きがいを支えること」、高齢者の持てる能力を引き出すことがケアの目的だということだった。

5)午後の分科会では地域の高齢者の「居場所」を作る様々な取組みが紹介されていた。月1回決められた日に高齢者サロンを開催しているところ、常時サロン開設しているところ、取組みとしては様々あるようだが、正直なところこの日紹介された事例の中で僕らのような会社勤めの現役サラリーマンまで視野に入れて常設サロンを夜まで開いておられるようなところは全国的にも少ないということがわかった。新潟市の常設型地域の茶の間「うちの実家」の話ぐらいしか耳にしなかった。

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このように、フォーラム全体を通じても、「現役世代の地域への参加」という視点は未だ希薄だなという気がした。この問題意識についてあっと驚く取組みがどこかにないかなと僕は期待していたのだが、内容としては想定の範囲内で、こんな取組みもあるのかというサプライズはなかった。また、主催者の意図はこうした全国各地にある日本のベストプラクティスを全世界に向けて発信していくことにあるような気がするが、フォーラムに参加した方々にそうしたパースペクティブがあるのかどうかは疑問だと感じた。実際に現場で行なわれていることを上手く概念化し、国際言語に翻訳して国際社会に向けて発信できるかどうかは、地域の実践者に代わってそうした「翻訳」ができる第三者の介在が必要なのではないだろうか。

7月25日(日)、母方の祖母が亡くなった。96歳だった。大往生だったと思う。
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コメント 4

非インド通

2008-12-13 サールナート旅行3の記事にコメントを投稿いたしました。1年以上前ですかからお目にとまることはなさそうですが、気持ちだけお伝えいたしました。
私には難しすぎる貴ブログですから再訪の可能性はないかもしれません。
まさに私のためのフォーラム報告の本記事にも関わらず場違いコメントで失礼いたしました。
by 非インド通 (2010-07-27 05:03) 

Sanchai

★非インド通さん★
コメントありがとうございました。サールナートの記事にコメント下さっていたのは気付いていました。レスが遅かったのはお詫び申し上げます。

難しすぎるとは故郷の母からもよく言われているご指摘です。堅いテーマばかりでもないので、今後も時々覗いてみてやって下さい。
by Sanchai (2010-07-27 06:47) 

さわやかN

はじめまして
さわやか福祉財団名刺両面大作戦特命リーダーの中島新平と申します。
高連協のフォーラムでの堀田さんの発言に
言及いただきありがとうございました。
私の職員ブログで言及させていただきました。
御笑覧いただければ幸いです。
by さわやかN (2010-07-31 19:29) 

Sanchai

★さわやか福祉財団・中島様★
コメントありがとうございました。
また、ブログでご紹介下さりありがとうございました。
辻立ちが近所で行なわれる機会でもあれば、
なんとか時間を作って応援に行ってみたいと思っています。
by Sanchai (2010-08-01 22:42) 

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