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投資型生命保険商品を巡る対立のその後 [インド]

僕は昨年10月から日本の某週刊誌に隔週で寄稿を行なっており、これまでに18本の寄稿を行なっている。帰国後にもう1本だけ書いたらお役御免となる。仕事が忙しくても原稿の期限は守らなければいけないので、実際請け負ってみると結構大変な仕事だった。よくここまでやってこれたと思う。

この寄稿をやってみて常々思っているのだが、ニュースは結果を報道するものではなくて過程をその時々で切り取って報道しているものなのだということである。せっかくコラムで取り上げたネタについて、その後事態が大きく進展したり急変したりすると、本来なら続報として何らかの追加報道を行なわないといけないのだろうが、コラムでインドネタを取り上げて2週間に1回程度の頻度でしか書いていないと、当然、一度取り上げたネタについてのその後の展開を同じコラムで扱うこと自体かなりが難しい。

最近、そういう事態を二度ほど経験したのだが、やっぱり最初に日本の活字メディアに情報を乗っけた責任上、ちゃんと続報しておいた方がよいと思うので、こちらのブログ記事としてご紹介したい。

この週刊誌の5月17日発売号で「投資型保険商品を巡る規制当局間の対立」というのを取り上げた。投資型生命保険商品(Unit Linked Insurance Product、ULIP)を巡り、証券取引の規制監督組織であるインド証券取引委員会(SEBI)と保険業界の規制監督組織であるインド保険規制開発庁(IRDA)の対立関係が顕在化し、事態収拾はムカジー蔵相の采配に委ねられていると述べた記事だ。

この記事に関して、先週末にこんな展開があった―――。

先ずはここまでの一連の出来事を時系列で纏めておく。
【4月9日】SEBIが生保14社に対してULIP販売を禁止する命令を下した。
【4月10日】IRDAが生保各社に対しULIP販売を継続するよう求めた。
【4月12日】蔵相が「現状が維持されるべきであり、規制当局間で法的に紛争解決が図られるべき」と述べる。
【4月13日】SEBIが生保各社に対し、ULIPの新規募集を制限する命令を下した。
【5月3日】IRDAがULIPのガイドラインを変更し、全ての個別保険商品の満期を最低5年とし、買い増し分も全て保険でカバーされることを求めることとした。このガイドラインは2010年7月1日から発効する。
【6月19日】パティル大統領が新たな大統領令を公布し、ULIPを生命保険事業と位置付け、IRDAの規制監督下に置くこととした。
というわけで、新たな展開とは、6月19日の大統領令のことである。

*関連記事としては以下の通り。
"IRDA will regulate ULIP schemes" The Hindu, 6月20日(日)
http://www.thehindu.com/2010/06/20/stories/2010062052531700.htm

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あろえ

いつも参考にしております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
by あろえ (2010-06-29 15:29) 

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