SSブログ

首都にオートがなくなる日 [インド・トリビア]

政府新たな公共交通手段を模索
Govt looks for new modes of transport
3月18日、Hindustan Times
Autorickshaw.jpg【ニューデリー発】 バッテリーで動く電気自動車がデリーの路上を闊歩し、乗客を奪う日が近いかもしれない。オートリキシャーの劣悪なサービスを不満とするデリー州政府は、市内のオート三輪車に代わる新たな短距離交通手段の導入を計画中だ。
 水曜日(3月17日)の議会質問でインド人民党(BJP)の指導者ジャグデシュ・ムキ氏の質問に対し、ディクシット州首相は、政府がバッテリー駆動車導入に関して製造業者と協議を始めていることを明らかにした。ムキ議員は、デリーの人口は過去数年で激増している一方で、オートリキシャーの台数は5万5千台に留まっていることを指摘。ディクシット首相は兼ねてからオートリキシャーからのフェーズアウトを検討していると述べたことがある。しかし、首相事務所はその後この首相発言を訂正し、「政府がオートリキシャーに代わる旅客手段を特定できた後に初めてフェーズアウトを行う」とした。
 乗車拒否、メーター通りに運行しない、さらには乗客に法外な料金を請求する―――こうした行為はオートリキシャーの運転手に対する抗議としては日常茶飯事だ。デリーのオートリキシャーは、巷間伝えられているところによると金融マフィアに牛耳られており、車体のオーナーに対する日々の賃料を支払うために、運転手に対して客に法外な料金請求をするよう指示がなされていると言われている。
 デリー州政府の」アルビンダー・シン・ロヴェリー運輸相は、首都圏で営業するオートリキシャーの台数がデリーの人口に対して十分便宜を図るにはあまりに少ないという実態を認めた上で、代替輸送手段の導入を検討中であることを認めている。「バスが通常運行困難な農村部や非正規居住区域で「Grameen Sewa」として導入されている制度の下で、6~8人乗りの車両の導入ができないか検討中です。今年5月までには新スキームについて方向性がはっきりしてくるでしょう」――ロヴェリー大臣はこのように述べた。「私達はまた、オートリキシャーと同等の料金設定で利用できる無線タクシーの導入可能性も検討中です。」
 オートリキシャーが金融マフィアにより運営されていることや首都圏で運行しているオートリキシャーに違法業者が多い実態について、ロヴェリー大臣は、政府が違法オートを取り締まる方策を検討中であることも明らかにしている。
*記事全文は下記URLでダウンロード可能です。
http://www.hindustantimes.com/Govt-looks-for-new-modes-of-transport/H1-Article1-520319.aspx
先週、デリーに来たばかりの人の歓迎会等で結構参加者の間で話題になっていたのが「オートリキシャーがいずれデリーから消える」という話題である。デリーの人口増に比べて台数が横ばいだからといっても、車両はよく見かける。デリーでは当たり前のようになっている事物が大きく変わるのはちょっと寂しい気持ちはする。

今からちょうど1年前にネパール・カトマンズを訪れた際、街中でオートリキシャーを見かけなくなったので戸惑ったのを思い出した。僕らがカトマンズに住んでいた1998年頃の移動手段といえば、人力のリキシャーの他にはオートリキシャーがあり、そして韓国車のタクシーが大量導入され、三輪の軽トラの荷台に幌を付けたような乗合タクシー、そして路線バスが運行していた。1年前に短期間滞在しただけの限られた印象では、市内の移動手段としてはリキシャーとマルチ・スズキ製の軽のタクシー、そしてトヨタのライトエースあたりをベースにした中型のワゴン車の乗合バスに様変わりしていた。

デリーに緑色のオートリキシャーが走らなくなるなんて姿はすぐには想像しがたい。でも、引用した記事にあるオートリキシャーでの忌々しい経験というのはデリー在住の外国人なら誰もが経験したことであり、だから僕も最近はオートを避けて路線バスを利用するケースの方が圧倒的に多くなっている。

PiaggioApe.jpg記事の中で言及されている「6~8人乗り」の代替車両というのは、PIAGGIO社製の中型オートのことだろうと思う(右写真参照)。ウッタルプラデシュ州あたりの農村道路に行くとよく見かける車両で、乗合タクシーのような印象が強い。ある程度はルートが決まっているのだろうし、慣れないヒンディー語で運転手と交渉する能力も求められる。僕たちのような外国人居住者や観光客にとっては使い勝手の悪そうな交通手段かもしれない。その点ではオートは確かに楽だったと思う。完全にフェーズアウトさせるというのは何だか残念でならない。
nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0