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ローカル言語の最後 [インド・トリビア]

非情に切ない記事。インドの新聞では当然大きく報じられていたので知っていたけれど、デリーに住んでいるとアンダマン・ニコバル諸島は辺境の地としか感じられないから、こんなところでもローカル言語が消滅してしまう状況にあったというのには驚かされた。

ボ族の人口自体が消滅したわけではないが、アンダマン・ニコバル諸島を越えて人の出入りが行なわれたり、インターネットや携帯電話、テレビや新聞メディア等が普及したことにより、遠くの人とのコミュニケーションや外部の情報にアクセスしたりすることが容易になってきたら、若い世代の部族の人々は、地域の中でのコミュニケーションで使われていたローカル言語ではなく、他のメディアを通じて頻繁に用いられる英語やヒンディー語の方をより頻繁に使用するようになる。それがサバイバルのためには必須だ。ボ族の若い人たちは、家庭内での爺さん婆さんや地域の中の年長者とのコミュニケーションよりも、島を訪れる観光客や島の外に住む人々とのコミュニケーションの方が重要になればなるほどボ語を話さなくなる。このエスニックグループの人口が激減した要因は他にもあるかもしれないが、ローカル言語が消滅するのはグローバル化の影響だとは言えないか。

海で囲まれたアンダマン・ニコバル諸島でこれだったら、オリッサやチャッティスガルあたりの山間地に住む部族ではもっと頻繁に起きる話だろうと思う。経済開発が進んで、外部とのコミュニケーション機会が増えれば、部族の中でしか使用されないローカル言語よりも、経済活動を行なう上で必要となる英語やヒンディー語、そうでなくても州内で広く使われているオリヤ語あたりが話せることの方が重要になるから…。

最近のAFPのインドに関するニュース選択には疑問も多かったが、この記事を取り上げたのは見直した。
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