SSブログ

ムンバイのタクシー業者に迫る危機 [インド]

今週は前半にムンバイに行って来たので、ムンバイのローカルネタをご紹介したいと思う。AFPの記事にもあるように、ムンバイのあるマハラシュトラ州政府は、州の現地語であるマラティ語を話せないタクシーやオートリキシャーの運転手に営業許可を認めないという行政命令を出した。これがマハラシュトラ新生党(MNS)やシブ・セナといった極右政党のプロパガンダのレベルだったらわからぬでもないが、一応国民会議派が与党である州政府においてこうした政策決定が行なわれるというのはかなり驚きだ。でも、チャヴァン州首相は実はこの政策を既に撤回している。こういう報道を流しておきながらその後をフォローしていないのはAFPの良くない点だ。

当然、こうした政策を元々支持していた極右政党は撤回に反発しており、州政府の措置を確実なものにするために厳しい政策を要求する。1月26日(火)のHindustan Times紙ムンバイ版で紹介されていた「MNS、マラティ語について警告(MNS warning on Marathi)」なんてまさにその典型だ。
*記事の全文は下記URLからダウンロード可能です。
  http://www.hindustantimes.com/rssfeed/mumbai/MNS-warning-on-Marathi/Article1-501775.aspx

記事のポイントは以下の通り。

1)MNSは、1月25日(月)、州内で営業するタクシー及びオートリキシャーの運転手に対し、向こう40日以内にマラティ語を習うよう求める最後通牒を発表した。MNSはさらに、マラティ語を学ぶための独習本を配布し、こうしたキャンペーンに取り組むMNSの姿勢をアピールするためのポスターをタクシーの車体に貼るといった行為も行ない始めた。

2)MNSがこんな派手な行動を見せるのはここ数カ月で初めてのこと。州政府がタクシーの新規営業認可申請を行なう際の前提としてマラティ語を必須とする決定を翻したことに反発し、MNSのラージ・タッカーライ党首は先週、マハラシュトラ州出身の地元運転手に新規営業許可が下りなかった場合、1台のタクシーでも路上を走ることは認めないとの強硬な主張を行なった。

3)ムンバイのタクシー業者は歴史的に北インド―ビハール州やウッタルプラデシュ州との繋がりが強く、毎年多くの出稼ぎ労働者が北インドからムンバイには入ってきている。北インド開発会議(Uttar Bhartiya Vikas Parishad)は猛反発し、「誠実でつつましやかな生活を送っている人々に恐怖をもたらすものだ」と批判している。同会議派ムンバイ警察長官に対して断固たる措置を取るよう嘆願する予定。
nice!(2)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 2

コメント 1

SAOMURA.Hakata

こんちには。
nice!&コメント、ありがとうございました。

僕が勤めている会社は、インドがほぼ唯一の輸出国になっているある油を大量に使用していることもあり、インドには以前から興味がありましたので、楽しく拝見させて頂きました。
by SAOMURA.Hakata (2010-01-29 22:13) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0