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ダウリー防止法の改正 [インド]

ダウリー(持参金)とは、「娘を嫁がせる父親から夫となる男性に対し支払われる多額の持参金や持参品」のことをいう。北インドを中心にインド全国でも見られる習慣である。この持参金の額が夫側が嫁を選ぶ際の基準にもなる。そして、期待していたよりも持参金が少なければ、夫が激怒して妻を焼くなどといういたましい事件が度々起きている。ダウリーに起因する死亡例は近年増加傾向にある。2000年には5,000例強だったが、2007年には7,618例が報告されている。

ダウリー防止法(Dowry Prohibition Act)という法律もあるが、これが機能していないとの批判もある。今回ご紹介する記事は、このダウリー防止法改正に関する記事である。1月14日付Hindustan Times第11面に掲載されていた「ダウリー法により実効性を-政府方針(Govt to give Dowry Act more teeth)」(Chetan Chauhan記者)という記事で、この週、ダウリーの脅威からの女性の保護を強化し、補償を拡充することを目的とした同法改正案が関係閣僚会議で検討される見込みだというものだ。2月には閣議検討され、予算審議を行なう次期下院会期中に法案採決を目指すという。インドの新聞記事には実現するのかしないのかよくわからない提灯記事が時々載るが、Chetan Chanhan記者が書いているものにそれはないだろうと思う。
*記事全文は下記URLからダウンロード可能です。
http://www.hindustantimes.com/News-Feed/newdelhi/Govt-to-give-Dowry-Act-more-teeth/Article1-497133.aspx

幾つか改正のポイントを示してみたい。

1)各県レベルに「ダウリー防止担当官(prohibition officer)」を設置し、事案報告と調査実施の窓口とすること。(同法制定から15年が経過しているにも関わらず、幾つかの州ではこれが行なわれていない。)なお、この担当官はドメスティックバイオレンス防止法の下での防止担当官としても活動すること。

2)女性側はRs.5,000以上の価値を持つ男性側からの贈呈品を登録できる。(ダウリーの金額を巡って揉めることが多いこと、そして贈呈を受けた品目に対する女性の権利を擁護することが目的。)

3)ダウリーを贈る側(花嫁側の家族)の刑期を5年から1年に短縮。

4)ダウリーを受け取る側(花婿側の家族)の刑期は5年で据え置き、罰金をRs.15,000からRs.50,000に引き上げ。

ダウリーについての解説は「インドチャネル」の下記URLを参照して下さい。
http://www.indochannel.jp/culture/marriage/03.html
この「インドチャネル」の解説を読んでいて、法改正でダウリー防止法がより厳格になったら、親が生まれて来る赤ちゃんが女の子だとわかった瞬間に堕胎するような行為に拍車をかけるのではないかというのも正直気になった。
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