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fast-unto-death という単語 [英語一期一会]


最近、新聞紙上でやたらと目にする単語、それが「fast-unto-death」である。「fast」とは「断食」のこと。だから「breakfast」は「fast」を「break」する、つまり断食をやめることだから「朝食」となる。だから、標題の単語は、 「死ぬまで断食」という意味である。

この単語がにわかに脚光を浴びたのは、テランガナ州独立派「テランガナ民族党(TRP)」の指導者であるK.チャンドラシェーカー・ラオ代表が「死ぬまで断食」を敢行し、起死回生の独立承認を国民会議派政権から引き出したからだ。これがドミノ効果を持つであろうことは多くの識者が予想した。命をかけて闘争すれば国から譲歩を引き出せるという前例を作ってしまったら、他にも断食をやろうとする者が出て来るだろう。

西ベンガル州のダージリン地方では、「ゴルカランド州」独立派(GJM)支持者が先週から「断食」に入っている。独立派が仕掛けた4日間のゼネストは、14日に開始からわずか12時間で終息したが、ゴルカランド独立派の指導者は、独立承認の期限を2010年3月10日午前11時19分(なんでか?)に区切っており、今後もダージリン地方は混乱が予想されるだろう。

これ以外に最近報道が喧しいのがウッタルプラデシュ州である。これを4分割し、西部の「ハリット・プラデシュ」、南部にはマディアプラデシュ州の一部と統合した「ブンデルカンド」、そして東部にも「プールバンチャル」を設けるという提案をマヤワティ州首相自らが提唱している。州首相が提唱しているところが特徴的だが、分割後もどの州でも彼女が党首を務める大衆社会党(BSP)は優勢で、いずれ国政に進出する野心を持つマヤワティ党首にとっては、支持基盤の州が一気に4つに増えるのはオイシイ構想だ。

他にもあるある。ちょっとでも新聞紙上で取り上げられたものを挙げると、こんなにいっぱいある。

 ◆Vidarbha(マハラシュトラ州東部)
 ◆Garoland(メガラヤ州西部)
 ◆Kamatpur(西ベンガル州とアッサム州の一部)
 ◆Bodoland and Cooch Behar(西ベンガル州)
 ◆Karbi Anglong and North Cachar Hills(アッサム州)
 ◆Santhal Parganas(ジャルカンド州)
 ◆Mithilanchal and Bhojpur(ビハール州)
 ◆Coorg(カルナタカ州)
 ◆Saurashtra(グジャラート州)

やり始めたらきりがないというのがよくわかるぐらい、州独立の要望はいたるところにあるというのがお分かりいただけるだろう。だから、1つ認めたらそのドミノ効果はかなり大きい。ただ、ただでも小さい州でも分離独立の動きがあるのは行き過ぎではないかとも思う。小さな州は運営がしやすいというメリットはあるだろうが、それにしても元々小さい州をさらに分割すれば、なんとなく州職員の人数はトータルでは増えるに違いない。

不謹慎な話だが、毎朝新聞を読みながら、「今日はどこで断食が始まっているのかな」と楽しみに紙面をめくっている自分に気付く。
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