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読書がコミュニケーション能力を高める [読書日記]


確かにそう思うところはある。読んだ本がきっかけで会話が弾むこともあるかもしれないし、特に小説は情景を頭の中に思い浮かべるところから始まり、ハッピーエンドであれば読者である自分も嬉しい気持ちになれる。そういうのは多分脳にも刺激を与えるだろう。

「6ヵ月100時間」というと、1日30分程度の読書時間となる。これくらいでも有意な変化が見られるというなら、是非とも家族にも勧めてどんどん読ませていきたいと思う。

一方で、「読書治療」と書かれているが、治療というからにはどんなジャンルの本が良いのかという点にも興味が湧いた。立場上専門書を読まなければいけない僕も、実は息抜きと称した小説、ノンフィクションを読むケースが結構多い。潜在的には自分の行為を正当化したいと考えているから、後者の方が有意に違うというのであれば嬉しいと考えたりする。また、同じ小説でも、ミステリーならいいのか青春ものならいいのかとか、歴史ものでも戦国時代を舞台にした作品と江戸時代を舞台にした作品とどちらの方がいいのかとか、そんなことも考えたりする。

おそらく脳にとってオイシイ刺激を得られる本なら読んだら有意なインパクトがあるということなのだろう。受験参考書とかで嫌々やってる読書(?)では、記憶には繋がるだろうがコミュニケーション能力を高めるには至らないのではないかという気はする。

ところで「読書治療」って何?この言葉でグーグル検索をかけたら、最初の2頁ぐらいはこのAFPの記事について紹介されているブログばかりがリストアップされていた。このニュース自体が多くのブロガーの関心の的になったということなのだろうが、そうしたブログ記事のリストが終わって初めて登場したそれらしい言及の中で、結構参考になった次の記述を引用しておきたい。

 さて、皆さんは「読書治療」ということばを聞いたことがありますか。私も講演会で初めて聞いたのですが、心に病をもつ青少年の育成に本の力を活用した取り組みです。
 例えば、不幸な生い立ちで、人から裏切られ、人の善意を信じることが出来ず、今現在、心が荒(すさ)んだ生活をしている少年や少女に、同じような境遇から、周りの人々の温かい励ましや本人の努力により立派に更正した人物の伝記を読むことを勧めます。その伝記を読むことを通し、感動させ、気づかせ、読み手の心を動かし、生き方を劇的に変化させよう、という方法です。
 この時、1 冊の本に心から感動し驚くような変化を見せる場合もあるでしょう。しかし、そのようなことは希で、実際には目に見えるような大きな成果は表れにくいそうです。でも、一度読んだ本のことは人の心の奥底に記憶として留(とど)まります。そして、読み手の考え方、生き方に少しずつですが影響を与えます。同じような傾向の本を何度か読むことで、確かな力となり心を成長させます。その結果、人に対する信頼感を育(はぐく)み、自分自身を大切する心を育てていくことになります。
 どんな本が「読書治療」に使われるかというと、論説文や評論文でなく伝記や小説が多いようです。普通考えると、論文の方が、その命題にストレートに迫っているので良いように思います。例えば、「生命(いのち)の大切さ」とか「生きることの意義」「人を愛すること」などです。しかし、大上段に構え、「… だから… しなさい。」「…することが大切だ。」というように一方的に正論を押しつけられると、読み手は、「確かに理屈ではそうだよな。でも、理屈通りに行かないのがこの世の中なんだ。」と反発する心が芽生えることがあるからだそうです。
 それに対し伝記や小説の場合は、読み手が、小説の主人公(または主おもな登場人物)や伝記の主(ぬしまたはその主人公に大きな影響を与えた人物)に自己投影(一体化)します。読み手は登場人物や伝記の主(ぬし)になりきり、悩んだり、悲しみに沈んだり、喜びに心を震わせます。「本を読む」という行為を通し無理なく自然にその人物の生き方や考えを自分自身に取り込むようになります。
 考えてみれば、この読書治療は何も青少年だけが対象とは限りません。年齢を重ね頭や心がさび付いた私のような大人にも有効なものといえます。人は本を読むことで新しい知識や考え方、生き方を取り入れ、今までの自分をつくり変え自分自身を成長させていく生き物です。忙しい中ですが、お互い時間を見つけて読書に親しむ時間を作りたいものです。
【出所】甲斐市立敷北小学校「敷北小だより」No.25、2009年11月6日
http://www.city-kai.ed.jp/sksho/wp-content/uploads/file/pdf/gakkoudayori2009/h21-25.pdf

さすがは校長先生、児童や父兄に伝えたいことを完璧に伝えておられる。
それに、僕の疑問にも答えてしまっているではないか!!
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