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『探偵!ナイトスクープ アホの遺伝子』 [読書日記]

探偵!ナイトスクープ―アホの遺伝子

探偵!ナイトスクープ―アホの遺伝子

  • 作者: 松本 修
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
’88年の放送開始以来、関西を中心に絶大な人気を誇る長寿お化け番組「探偵!ナイトスクープ」。生みの親である著者が、番組誕生の瞬間から現在までを初めて書き下ろした、爆笑と感動の一冊。

借りた本なので早く返さなきゃとの思いに駆られ、今週暇を見てはコツコツ読んでいた1冊。僕が朝日放送の『探偵!ナイトスクープ』を知ったのは1993年頃のことじゃなかったかと思うのだが、それ以降今に至るまでに駐在したことがある国でも、ビデオでは度々お世話になったことがある。1995年から住んだカトマンズでは、職場の同僚に関西出身の者がおり、知り合いに頼んで纏めて録画してもらったビデオを時々送ってもらっていてそのおこぼれを見ていたし、2000年から住んでいたワシントンDCでは、バージニア州マクリーンの日本食材店「浪花」でビデオレンタルをやっていて、『探偵!ナイトスクープ』のビデオは頻繁に借りることができた。ちょうど上岡龍太郎探偵局長が退任して、半年間探偵による「自習時間」が続いた後、西田敏行新局長を迎えるという時期のコンテンツを中心に見ていた。

本書はこうした僕がこの番組を見始めるより以前の、視聴率が10%未満と低迷していた時期から20%を超えるようになった時期ぐらいまでの番組舞台裏のエピソードが中心に語られている。僕は依頼人が番組ビデオに登場するようになってからの『探偵!ナイトスクープ』しか知らなかったが、初期の番組では素人の依頼人を登場させるのは一種のタブーとなっていたらしい。それが、依頼人を登場させるようになり、爆笑小ネタ集をやるようになり、「ツッコミ・スーパー」を使用してスーパーで笑いを取るようになり、「パラダイス」シリーズをやるようになり、「全国アホ・バカ分布考」があり、そして1993年に伝説の「爆発卵」で視聴率30%を迎える。僕が番組を見始めたのはこの頃からであるが、「爆発卵」はビデオでしか見ていない。妻と2人で大爆笑した。妻は東京出身だが、今では『探偵!ナイトスクープ』のファンだ。

本書はこうして関西のお化け番組に成長するまでの苦労話が中心に描かれているため、視聴率30%超えを達成してからの番組の変遷についてはあまり触れられていない。でも、本書を読みながら、あの1時間番組の中で紹介される3つのビデオの裏に秘められたディレクターさんや構成さんの熱い思いというのに気付かされた。局長と顧問の最後の講評だけではなく、番組が終わった後で僕らも茶の間でどの話が良かったかという講評を述べ合ったりする。今回は全部面白くなかったとか、どれどれは良かったとか。また、西田敏行さんが新局長に就任されてからは、ビデオの後でスタジオに振られて西田さんがハンカチで目頭を押さえられているシーンを見たりすると、西田さんのお気持ちもわかるような気がして、二度泣きするケースもかなりあった。

本書を読んでわかったのは、このビデオの構成やディレクターさんは何人もいて、それぞれがビデオで笑いを取ることを大原則としつつも映像技術や構成等で競い合っていたということだ。僕らはそういうところにはあまり興味も持たずにただ依頼に基づき探偵が繰り広げる調査のビデオを漫然と見ているだけだったが、これから番組を見る機会があればディレクターさんが誰だったのかというのも注意して見てみたいと思う。

不朽の名作「爆発卵」については既に言及済みだが、僕らが見て爆笑したり感動したりして印象に残っているビデオには次のようなものがある。
-タケモノトピアノのCMで赤ちゃんは泣きやむ
-サラダボールに皿がはまって取れなくなった、外してください
-30代の女性は誰でもピンクレディーが踊れる、30~40代の男性は誰でもヌンチャクが使いこなせる
-素晴らしき車椅子の旅

特に、「素晴らしき車椅子の旅」と「おじいちゃんはルー大柴」は番組が培ってきたいろいろな要素、番組の豊かな歴史が凝縮されている名作だと本書でも具体的に紹介されている。前者については僕はリアルタイムで見て感動して涙を流した(西田局長さんも当然ながら泣いてました)のをよく覚えているが、後者は見たことがなかったので動画サイトでチェックしてみた。「これのどこが?」と最初は思ったが、終盤のシーンは感動の連続で、最後はルーさんの涙で僕も止まらなくなってしまった。

既に番組は21年目に入っている。ディレクターさん達の登竜門的番組として、ここから巣立って他の番組でも成功を収めたディレクターさんも多くいらっしゃるらしい。探偵さんの顔ぶれも相当に入れ替わるなどして番組も新陳代謝を繰り返しているが、これからも続いてほしい番組だ。

朝日放送『探偵!ナイトスクープ』のHPはこちら!
http://asahi.co.jp/knight-scoop/
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