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結局、雨期作物の収穫は? [インド]


今年の乾期は、後半の天候不順の影響で雨期作物の収穫には大きな影響が出るだろうという予測は随分と前からされていたが、一応データらしきものが新聞紙上で掲載されていたのでご紹介する。出所は、11月4日付Hindu Business Line紙第1面の「モンスーンの天候不良でカリフ期穀物生産高が細る(Weak monsoon shrivels kharif crop output)」という記事である。

記事全文はこちらのURLから!
http://www.thehindubusinessline.com/2009/11/04/stories/2009110451660300.htm


KharifCrop2009.jpg

記事の要点をかいつまんで紹介してみたい。

1)インド南西部のモンスーンは1972年以降最悪で、今年のカリフ期(雨期)作物の収穫に大きな影響を与えた。11月3日に発表された農業省の第1次速報値では、2009-10年度カリフ期の穀物生産高は9,663万トンで、同じく旱魃の影響で生産高が8,722万トンだった2002-03年度以来の低い数値となりそう。因みに2008-09年度は1億1,770万トンで、前年度比18%の大幅な落ち込みとなった。特に影響が大きいのはコメとサトウキビである。

2)コメの場合、今年度生産高は6,945万トンで、前年度比マイナス1,500万トンの大幅な落ち込み。但し、政府のコメ備蓄は十二分に確保されており、インド食糧公社(Food Corporation of India)が保有するコメ備蓄は10月1日現在1,535万トンで、目標備蓄520万トンの3倍の備蓄が確保されている。従って、穀物の収穫不良が物価上昇を牽引するリスクは低い。

3)サトウキビの場合、今年度生産高は2億4,948万トンで、これは2004-05年度の2億3,709万トンに次いで悪い数字である。しかも、砂糖は、2006-07年度以降毎年減少しているサトウキビ生産高の影響を受けて今期初頭から殆ど備蓄が底をついている状態であったことから、砂糖価格は少なくとも来年度いっぱいは高止まりすると予想される。

4)その他穀類、豆類も、2002-03年度に近い低い生産高が予測される。逆に、綿花や大豆への影響は比較的少ない。

5)政府はこれから作付が始まり来年3月頃収穫期を迎えるラビ期(乾期)の生産に全ての期待を寄せている。ラビ期の作物としては、菜種、チャナ(ヒヨコマメ)が挙げられる。これらの生産でカリフ期の生産不調をある程度相殺できれば、食糧によるインフレ圧力は抑制される。そこに政策立案者の注目が集まっている。
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