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「貧困」の定義をいじると…(2) [インド]

「貧困」の定義をいじると…
8月20日のHindustan Times紙に「38%のインド人は貧困層(38% per cent Indians are poor: report)」(Chetan Chauhan記者)が紹介されていた。

今年8月26日に上記の記事をアップしてから約1ヵ月半が経過し、Hindustan TimesのChetan Chauhan記者が再びこのテーマについて続報を取り上げた(10月12日第1面、、「貧困ライン引上げ、貧困者人口膨れ上がる(Poverty line set to rise, number of poor to swell)」)。ポイントは以下の通りだ。

1)現在インドの貧困層とは総人口の28.5%を占めるが、新しい定義によるとこれが38%に増加する。

2)1998年に設定された今の定義では、都市では月額所得2,200ルピー以下、農村では月額所得1,650ルピー以下の世帯を貧困層としてカウントしてきた。今回テンドルカー委員会が計画委員会に提出した中間レポート提出した新しい定義によると、都市は月3,000ルピー以下、農村では月2,250ルピー以下の世帯を貧困層としてカウントする。これによると、都市貧困層は26%→28%の微増に過ぎないが、農村貧困層は30%→46%に大きく膨れ上がる。

3)1972年以来、インドでは貧困層を、①都市では1日2,100kcalを摂取するのに必要な食料購入費、②農村では1日2,400kcalを摂取するのに必要な食料購入費、をもとに算出するという手法を取ってきた。

4)テンドルカー委員会は、これに対し、教育や保健、衛生等にかける支出も含め、貧困ラインよりも上に位置するにはどれだけの所得が最低限必要かという視点から予測を行なっている。逆に、カロリー摂取量に関しては都市と農村で差を設けないという提言にもなっている。

5)最終レポートは11月に提出される見込み。

インドでは総人口の3割が貧困層だと僕らはずっと言い続けてきたのだが、ここに来て定義がいじられると、4割に下方修正(?)せねばならなくなるかもしれない。
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