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安直に「ソリューション」をと言うなかれ [仕事は嫌い]

今週、飛び込み営業のような電話やメールで「ソリューション」という言葉を安直に使われた事例が立て続けに2つあった。1つは日系企業で勤める若いインターンの方からで、もう1つは米国のNGOからである。

前者は「誰でもいいから日本人を出せ」と言ってこられ、たまたま昼休みで席にいた日本人スタッフが電話に応対し、その後メールに移行した途端に僕に振られた。同じ日系企業同士、本当に売り込みたいなら先方の代表がこちらの支社長のところに直接アプローチすべきだと僕は思う。それをいつまで働くのかもよくわからないインターンに飛び込み営業をやらせているという時点でどうなんだろうか。ものは高価なのだから。

しかも、営業の方も自分の言葉で自社のサービスを説明しきれてない。メールで送られてきた企業説明は英文で難解な表現が並んでいるし、「ソリューション」とか「お客様のニーズ」とか言われても、それじゃあこんな売り込みを我が社にかけようと考えた根拠が何なのか、どんなニーズが我が社にありそうだと考えたのか、その辺が全くわからない。売り込みをかける相手の業務内容を全く理解してなくて勝算がある筈がない。

「とにかく一度御社を訪問してお話を」ということだが、受けるつもりはあまりない。

2つ目の事例はもっと高飛車だった。元々この営業は別のところにメールで届いたものなのだが、宛先がプロトコル上最も気を遣わなければならない非常にハイランクの方だったにも関わらず、この営業の方は、「私たちにあなたのことを助けてあげるチャンスを与えて欲しい」というとんでもない英語の表現でメールを出してきた。「うちのサービスはこんなにスゴイのに、なぜあなたは利用しないのか」と言わんばかりのニュアンスのメールで、転送されてきたのを読んで先ず腹が立った。

クソ長い英文で説明しているところにも好感など持てない。長ったらしいメールを打つ人は暇なのではないかといつも思う。「一度会わせろ」と要求しているところはいいとして、会って説明を聞いたりHPにアクセスしてみればわかるようなことを何故メールでくどくどと説明しているのか、僕には理解できなかった。それに、ここのNGOが得意としている「ソリューション」というのは、そもそもが我が社のインドでの業務内容と整合しないのが明白だったし、向こうはグローバルな「ソリューション」を売りにしているのだから、それだったら我が社の東京本社にアプローチしろよとも思った。どこからメールしているのかと署名欄を見ても、送信者の肩書と本部のURLしか書かれていないので、この人はデリーにいるのか米国にいるのかもわからない。

自分のところのサービス内容に自信があるのはわかるが、「知らないのはもぐり、利用しないのは馬鹿」的な言われ方をされるのははっきり言って心外だ。ここも顧客のニーズに合わせた「ソリューション」の提供を売りにしているが、その割には事前に我が社の業務内容や実施体制についての分析もあまりされておらず、サプライ・ドリブンだとの印象を受けた。

顧客が問題把握して解決策を見つけ出すのを支援するというような意味なのだろうと思うが、上で挙げたどちらのケースも自社の企業・団体説明に重きを置いていて、サービスのラインナップの提示にかなりこだわっていたように思う。「俺の話を聞け」というやつだ。本当に顧客本位で問題解決を支援するというのなら一種のワークショップ型のファシリテーションの能力を持っていることが前提だと思うが、そんなものはインドなら掃いて捨てるほどいそうだ。

「ソリューション」という言葉を聞くと虫唾が走る。
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