『中日ドラゴンズ伝説2009』 [読書日記]
今季も交流戦前まではあまり調子が良くなかったドラゴンズ。交流戦をAクラスで終えた後はあれよあれよと勝ち星を積み重ね、いつの間にか貯金は20、遠くかすんでいたジャイアンツの背中はかなり大きく迫って来ている。首位打者がいて、盗塁1位がいて、打点トップがいて、ホームランダービートップがいる。投手もハーラーダービートップタイがいて、防御率1位が別にいて、開幕から11連勝を飾ったのもいて、最多ホールドもいて、最後はセーブ王もいる。考えてみたらこんなチームが強くないわけがない。
今日はお盆休みも最終日。息抜きでこんな本をご紹介する。
昨年発刊された『中日ドラゴンズ伝説』を読んで、誤植がやたらと多くて辟易したが、内容としてはかなり面白いという評価をこのブログでも書いた記憶がある。それの2009年版。誤植はかなり減っているという印象だが、記事の内容としては少し面白さが薄れたような気はした。
「立浪和義ラストイヤー!完全制覇&日本一祈念号」と銘打っている割には立浪に関する記述があまりにも少ない。今回の目玉特集は「ドラゴンズ・スーパースター列伝」だが、この列伝は現役選手を扱っていないため、立浪については全く言及もない。また316人もの過去の選手を取り上げて紹介しているが、こんなにいっぱいスーパースターがいたわけではなく、一部の選手は他球団で使い倒されてドラゴンズに移籍してきた時には使い物にならなかったりとか、逆にドラゴンズでまったく芽が出ず、他球団に移籍してもやっぱり芽が出なかった選手もおり、「どこがスーパースターやねん!」と語気を荒げたくなるところが多々あった。
しかし、逆説的に言えば、「そういえばあの頃いたあの選手はその後どうなったのかな?」という疑問には結構応えてくれる特集であり、「愛蔵必須」という謳い文句には納得もさせられる。それに、牛島や今中の記述はかなり充実していた。特に、あのいつも軽々と投げて時として人を小馬鹿にしたような超スローカーブまで放っていた左腕・今中慎二投手が僕の印象以上に凄いピッチャーだったというのが特集を読んでいてよくわかった。
でも、この特集記事にエネルギーを注ぎ過ぎたからか、他の記事は全般的に不調。「2009ペナントを勝ち抜くための傾向と対策」は読む気にもなれず、「山本昌200勝への道のり&全コメント」もコメントを200個も並べられるだけでは読む気力が続かない。どうせならコメントから垣間見えるマサの人間性か何かひとひねりしてほしかったと思う。
「4月2日発売『ドアラでWii』開発秘話に迫る!」ってのも、Wiiをやっている人なら面白いかもしれないが、純粋なプロ野球ファンにはどうでもいい企画である。そして極め付きは「きょうは何の日?ドラゴンズ(ほぼ)全勝カレンダー」である。因みに今日8月16日は何の日かというと、「ウッズ、通算200号HRでオレ竜の300勝を飾る(2007年)」だそうだ。だからどうした?と言いたくなる。
ムック本としてもかなり出来が悪いなと改めて思う。変な特集はくっ付けずに「ドラゴンズ選手列伝」だけで紙面を構成したら結構面白い本になるのではないだろうか。立浪も通算安打数で長嶋を抜き、ペナントレースもいいところに付けている。遠くインドの地からドラゴンズの今後の活躍を祈っている。
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