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『町長選挙』 [奥田英朗]

町長選挙 (文春文庫)

町長選挙 (文春文庫)

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。そこは住民の勢力を二分する町長選挙の真っ最中で、なんとか伊良部を自陣営に取り込もうとする住民たちの攻勢に、さすがの伊良部も圧倒されて…なんと引きこもりに!?泣く子も黙る伊良部の暴走が止まらない、絶好調シリーズ第3弾。
「さすがの伊良部も引きこもりに」というのはちょっと過大宣伝である。

先に述べた通り、6月1日(月)の中部国際空港から成田空港までのフライトは、家族と別れて単独での搭乗となった。JALが調整に手間取った分、僕のANA便は家族のJAL便よりも1時間遅く、お陰で空港と機内とでゆっくり本を読めた。そこで読み切ったのがこの本。

『イン・ザ・プール』からの続きで読んだ「伊良部一郎」シリーズ第三作だったが、続きで読むと効用が下がるかと思いきや、意外と良かった。収録短編は4編と少なめだが、今回は不思議な看護婦・マユミちゃんの素性が少しだけ明らかになり、セリフも結構多めで、新鮮さがあった。(但し、マユミちゃんが最も弾けていた「カリスマ稼業」はオチがイマイチだったけれど…。

本のタイトルにもなっている「町長選挙」と実在の有名人を主人公に持ってきている「オーナー」「アンポンマン」は、主人公(伊良部医師&マユミちゃんにいたぶられる)が絶体絶命の境地にまで追い込まれたところから意外な逆転劇があるという点で楽しめる作品だった。ANAのフライトで隣りに乗ったお客さん、口臭が強烈で最初は気になったが、本に集中しているうちにそれを忘れることができた。

毎回思うのだが、こういうハチャメチャなストーリーを描いておきながら一方で『オリンピックの身代金』のような作品を描ける奥田英朗という作家はすごい。
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