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ヒンディー語地元学習法試案 [ヒンディー語]

1年ほど妻と一緒に家庭教師にヒンディー語を習ってみた。週1回だったことや、実生活の中でヒンディー語を使わなければ意思伝達ができないという状況に追い込まれたことが少なかったことから、効果の方は正直「?」だった。勿論、昔僕がインド駐在を初めて希望した時に1年近く勉強したアジア・アフリカ語学院のテキストで扱われていた(そしてその大半を忘れていた)文法については、かなりの復習ができたことは間違いない。

デリーには「バシャ・バラティ」や「ヒンディー・グル」といったヒンディー語の民間語学学校もあるが、家庭教師のR先生の教え方も含めて気になっているのは、ヒンディー語は授業用の教科書で良いものがあまりないのではないかということである。独習書としては良いものがあるかもしれないが、パターン練習もふんだんに取り入れて体系的に文法が覚えられるという構成で、先生と生徒が共通のプラットフォームで学習できるという教科書は聞いたことがない。逆に、「バシャ・バラティ」にしても「ヒンディー・グル」にしても、そういう教科書を持たずに日常生活で遭遇する様々な場面に応じて用いられるひとことひとことを教えるというのが1つの売りとなっている。

でも、正直なところ、男性名詞・女性名詞の区別も含めてかなりしっかりした体系化された文法を持つヒンディー語は、むしろ文法から入るのであってもいいのではないかという気がする。日本の場合は、先に述べたアジア・アフリカ語学院の教科書にせよ、市販されている中では最も使いやすい坂田先生の本にせよ、文法から入るのは結構ある。

入門ヒンディー語

入門ヒンディー語

  • 作者: 坂田貞ニ
  • 出版社/メーカー: 国際語学社
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: 単行本
(余談ながら、市販のヒンディー語の独習書の中では最も文法が勉強しやすいのが坂田先生の本だと思う。)

それともう1つは、いきなりデヴァナーガリー文字から入るのではなく、できればそれをアルファベットで表記したテキストで始めることである。元々会話をやりたくて言語習得を志すのだから、それがいきなり読めないデヴァナーガリー文字で始まっては復習がやりづらい。昔カトマンズで駐在していた頃、「カルマ・グループ」という民間教育機関でネパール語の個人レッスンを受けた時期があるが、ここはそうした方式で20課から成る独自の教科書を作っており、これは非常に使い勝手が良く、効果的に短期間でネパール語がある程度覚えられた。

とはいっても、ヒンディー語学習に関して「カルマ・グループ」のような文法重視のアルファベット表記の教科書が存在しているわけではないという状況の中で、どうやったら短期間でヒンディー語会話が上達するのかは悩ましいところである。妻が帰国してしまったので、仮にR先生に家庭教師に来ていただくとしても、ある程度は緊張感を持って予習復習はできると思うが、良い教科書がなければ少なくとも予習は難しいだろう。

家庭教師に関して現時点での僕の希望は、昔使ったアジア・アフリカ語学院の教科書を使ってもらうことなのであるが、そんなことを要望したら先生の面子を潰すことにならないかと心配だから、結局今までのやり方で最後まで教えていただくしかないかなと思う。独習の時間はたっぷりできたから、それで妥協しようかと…。

でも、そこでさらに僕は考えた。朝のウォーキングの時間を用いると、結構良いアイデアが閃く。

僕が現在直面している最大の課題は、どうしてもヒンディー語を使わなければいけない状況に追い込まれていないことだ。であればそうした状況を作り出すことだ。それには、自分が使いたい教科書や読本(子供の絵本程度のものなら持っている)を持って人が集まる場所に行き、教科書を開いてそこにいる人を捉まえて発音を教わるといい。それが識字率の低い地域であれば、発音は僕がたどたどしいヒンディー語でやって。周りの人に「ああそれはこう言うんだ」と直してもらえばよい。周りの人も僕に教えてくれることで少しは識字能力が上がるのではないかと思う。

地元の人が集まる場所としてパッと思いつくのは、地域のリソースセンターや病院の外来待合室、学校等である。そういう場所を持っている知り合いのNGOはあるので、一応了解を取ってそういうところで来た人、ボーっと待っている人に教えを請う。相手も時間潰しになるし、教えることで自分が覚えられるというメリットもある。勿論僕はそれで勉強できる。

今週頭にクシナガルを訪問した際、村長さんにインタビューするという機会があった。通訳ガイドさんがついてくれたので必要な聴き取りは通訳を介してやったが、途中ところどころでヒンディー語を僕がしゃべろうとしたところ、村長さんやそこに集まってきていた村の人々が、「それはこう言うんだ」とご丁寧に僕の文法を直してくれた。こちらが相手の懐に飛び込む姿勢を示せば、相手は皆文法的間違いに対しては優しいのだ。また、アーナンダ病院では、外来受付を終えて建物の外のベンチでお釈迦様の涅槃のポーズでベンチに寝転んでいる人を何人か見かけた。暇そうだったから、こういう人を先生にしちゃったら結構相手してくれそうだと思った。それじゃ、ディワリの頃はまたクシナガルに行こうかなと考え始めているところだ。
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定本優佳(ねーさん)

あら!今、インド大使館で坂田先生からヒンディー語を習っています。

by 定本優佳(ねーさん) (2011-10-09 12:19) 

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