韓国の野球

ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）も、予選ラウンドでこれだけ何度も韓国と対戦すると、何だかカードの組み方としてどうなのかなと思ってしまう。ダブル・エリミネーションというのはいかにも米国的でカレッジのトーナメントの観戦を何度かしたことがある人間にとってはわかりやすい方式だが、問題は第2ラウンドの編成の仕方で、どう頑張っても強豪キューバや韓国が準決勝まで米国と対戦しないように仕組まれているとしか思えないところがある。

それはともかく、これで、もう決勝まで韓国と対戦する機会がないというので少しホッとしている。

ところで、韓国戦となると熱が入るファンも多いと思うが、実際のところ韓国野球というのはどうなんだろうか。北京五輪でも日本はやられたし、前回のWBCも日本は韓国に対しては1勝2敗だったわけだから、そりゃ韓国も強いんだろう。そこは認めざるを得ない。

以前ブログでもご紹介した『中日ドラゴンズ伝説』の中に、「なぜ李炳圭が「韓国のイチロー」なのか？韓国球界の実態に迫る！！」というコラムがある。千葉ロッテ・マリーンズを2006年に退団して韓国ロッテ・ジャイアンツでプレーした天野勇剛さんへのインタビューから構成されている。

◆単に「打って遠くに飛ばす」「速い球を投げる」というだけなら、日本と互角かそれ以上かも…

◆でも、投手の球のノビや変化球のキレは、日本人に全く及ばないのです。

◆あと…一番驚いたのは走塁の意識の差ですね。日本では選手ごとに「リードは6歩半」とか決めているけど、韓国ではそういうのが無し。塁間を何歩？ベースをどっちの足で踏むのか？全く考えない。

前回WBC韓国対日本が「０－６」で韓国敗北に終わった時、天野氏と一緒にテレビ観戦していたチームメートは、次のような反応だったという。

　「やっぱり負けたか…」
　「まぐれ勝ちも3回は続かないよな…」

日韓のレベル差は選手自身がいちばん感じてることなのかもしれない。
しかし、ファンはそうは思っていないみたいで、

　「韓国最強韓国最強韓国最強」
　「我が国に二度も負けた日本の優勝なんて認めないぞ」

…てな感じだったという。

筋トレへの取組み方も日韓では大きく違うという。

◆日本式はトレーナーと相談して野球用の筋肉を付けるトレーニング

◆韓国式は、ただがむしゃら。

◆それでも日本で活躍できるスンちゃん（イ・スンヨプ）なんて本当に天才ですよ。

韓国の選手が日本で苦労するのはやはりストライクゾーンだという。日本のストライクゾーンに比べて、韓国のストライクゾーンは外角にボール2個分広いという。

宣銅烈以来の伝統なのか、韓国にはなぜか落ちる球を投げる投手がいないという。

◆投手は横の変化球ばっかです。だからフォークが武器の投手なら、韓国では簡単に2ケタ勝てるでしょう。

食べ物はとにかく辛いモノばかり。
何と、豪州キャンプには罰金払ってまで大量のキムチを持ち込んでいたという。

韓国選手の年俸は超一流クラスで１億円に届かないくらい。
徴兵に出て行く前に多額の年俸は払えないようで、新人は一律250～300万円。

韓国のファン達は、開幕時は満員のスタンド。
しかし…勝ち続けないと、シーズン終盤にはガラガラ。

韓国野球にはチアガールがいてとてもきれい

韓国選手は審判が誤審しても怒らない。審判ヘタクソは常識。

◆大試合（国際試合）には徴兵免除がかかっているからみんな必死だ。

◆大試合だと通常のリーグ戦より格段パフォーマンスが良くなる選手が多い。

天野氏によると、二軍の遠征時はモーテルに宿泊するのだという。
上下関係のキビシイ韓国では、先輩はベッド、後輩は床で寝る。

二軍の公式戦では、外野フェンスまで60メートルくらいのソフトボール用の球場でやったり、民家がすぐそばで、ファールが飛び込まないよう、バッティングケージを設置して試合したりもするという。移動はほとんどバスで、自分の道具は自分で運ぶという。

◆野球のできることの有難味を知るためにも、日本の若手には一度韓国でやってみることを勧めたいです。

◆李炳圭がイチローっていうのはわかります。前が大きく柔らかくて捌く打撃のできる李炳圭みたいな選手は韓国には少ないですから。

以上は下記からの引用（pp.72-77）でした。

中日ドラゴンズ伝説 (OAK MOOK 208)

• 作者:
• 出版社/メーカー: オークラ出版
• 発売日: 2008/04/30
• メディア: 単行本

コメント 5

韓国に関してだけ言えば、宿敵日本の選手の分析は
徹底して為されているようです。
こと、野球に関して言えばスパイを送り込み、
情報収集しているのではないかと言われるくらい、
徹底しているようです。

勝とうと考えるならば、大学野球や実業団野球の
無名な実力派選手を集めて参加すれば…
韓国に勝てる確率は、格段に上がるのではないでしょうか？
と、思っているのですが…やっぱり、それは難しいでしょうね。
by みかんママ (2009-03-21 06:39) 

☆みかんママさん、コメント＆niceありがとうございました☆
仰る通りかもしれませんが、事前のスカウティングをそれなりにやっていた結果だとすれば、韓国はやはり強いと思います。また、ここはご意見が分かれるところですが、私はプロを招集したからこそ、肝心のところで結果がちゃんと出せるのだと思います。後は、キャンプも含めて早めに体を仕上げる日本のプロ野球のスタイルがこの時期に開催されるWBCには合っているのかなとも思います。

☆yukikazeさん、niceありがとうございました☆
by Sanchai (2009-03-23 23:55) 

「イチローは天才ではない」
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2009-03-24-1
by Hirosuke (2009-03-24 02:59) 

ご訪問ありがとうございました。
続編を書きました。
お読み頂ければ幸いです。

「イチローは天才ではない」 シリーズ
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http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2009-03-26

http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2009-03-24-1

http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2009-03-24-2

http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2009-03-16
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by Hirosuke (2009-03-29 23:59) 

あ、「オバマ」は「地球」のHirosukeと同一人物です。

こんなブログもやってます。
覗いてみてください。
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オバマ大統領の就任演説で英語を学ぶ
http://obama-de-english.blog.so-net.ne.jp/
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by Hirosuke (2009-03-30 00:00)