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地震が起きたその時 [地域愛]

昨日、午後4時半ちょっと過ぎに関東地方で非常に大きな地震があった。東京に住み始めてから20年強になるが、今まで経験した中では最も大きな地震だったと思う。

この地震は、三鷹国際交流協会(MISHOP)が主催した「災害時外国人支援ボランティア研修会」の直後に発生したため、研修会に出ていた僕は、研修会において得た「気付き」を実践に移す必要性を非常に強く感じた。

研修会は三部構成で、①先ず昨年の新潟県中越地震の際の外国人支援の経験について多文化共生センター・東京21の代表の方からレクチャーがあり、続いて②災害時の外国人への対応を想定したロールプレイ、③以上のプログラムから得た「気付き」をグループで共有し、発表、といった内容だった。

1.講義『新潟県中越地震に学ぶ災害時外国人支援』
災害時はふだん気付かないものがいろいろ顕在化してくるため、普段から何をしているのかが問われる。災害発生直後は、外国人は情報から孤立し、パニックに陥りやすい。被災地では様々な情報が飛び交う。漢字にふり仮名を振るだけでも違う。被災地では避難生活が長引くほどストレスも蓄積され、誤解に基づくデマ「外国人はルールを守らない」「被災地でものがなくなるのは外国人の仕業だ」等が流布しやすい。さらに生活再建のフェーズになると日本人と外国人居住者の間の情報格差が拡大しやすい。仮設住宅入居手続書類の記入や義捐金受取手続、勤務先からの給与未払いや解雇などにおいて、外国人は不利な立場に置かれる。

2.ロールプレイ『体験・災害時外国人支援のノウハウ』
気付いたことを幾つか挙げてみよう。
◆通訳ボランティアをやろうと思っても、災害時に必要となる単語で訳し方がわからないものが結構多い。「震度5」「余震」「在留資格」
◆災害発生後、自治体には災害対策本部が設置されるだろうが、被災地において行政が行なうサービスがどこからどこまでなのか、相場観がないと外国人居住者からの問いに対して十分応えることが難しい。
◆しかし、たとえわからなくても、問い合わせをしてくる外国人の立場に立って、どのような言葉や情報が提供されれば安心できるのかを常に考える必要がある。
◆そのためには、問い合わせがあった場合、何はともあれその外国人がどのような状況に置かれているのか、属性を的確に把握することが重要。
◆特に、被雇用者への未払い給与の問題は、問題提起をされるまであまり考えたことがなかった。新潟の場合、工場などの修復費がかさんで事業主が従業員に休業手当を支払えなくなる事例が頻発したそうだが、これが雇用基盤がより脆弱な外国人被雇用者の場合はもっと苦境に立たされる。

3.グループ発表
参加者ひとりひとりの「気付き」を共有し、グループ単位で発表した。僕自身が感じたこと、グループの他の方々のコメントを聞いて気付いたことなどをまとめてみた。

(1)個人として、外国人支援ボランティアとして
先ず、自分自身の被災時の損害を最小化する努力を払わないと、他の被災者に対して寛容でいられない。近所にどのような人が住んでいるのか、その人の生活状況や家族構成など、ある程度事前にマッピングをしておく必要がある。通訳翻訳ボランティアとしては、災害時に必要となる用語の訳し方を予め考えておく必要もある。

(2)国際交流協会に期待すること
外国人支援ボランティアに登録しているからといって、協会から離れているところに住んでいる登録ボランティアが何を差し置いても協会の事務局にたどり着いて相談窓口として機能する保証はないし、外国人の居住状況によっては、協会事務局ではなく、避難所となる学校やコミュニティセンターに行って前線でサポートする方が効果的な場合も考えられる。また、地震が平日日中起きた場合と夜間や休日に起きた場合とでは、ボランティアがどこで何をしていたのかが違って当たり前なので、どのような場合にはボランティアはどのように動いたらいいのか、個々のボランティア毎に幾つかのシミュレーションを行ない、不足することが予想される機能が何かを予め把握して手を打っておく必要がある。

マニュアル作成などは言わずもがな…。

(3)行政に期待すること
市内のどこにどのような外国人が住んでいるのか、働いているのか、勉強しているのか等を予め把握し、通訳翻訳ボランティアとの需給関係を確認しておくことが必要。市内にはICUやアジア・アフリカ語学院があるため、こうした大学・専門学校とのパートナーシップは必須。また、どうしても市内の人的リソースだけで対応が難しいのであれば、青年海外協力隊の帰国隊員の通訳サービスをアウトソーシングすることも考えるべき。

100%行政の仕事と言うつもりはないが、災害時の情報入手手段としてラジオは有効。僕は2001年の9.11同時多発テロや2003年9月のハリケーン「イザベル」の後のワシントンDCを知っているので、ラジオで得られる情報は本当に役に立った。但し、ラジオは普段からどの周波数でどのような放送が行なわれているのか認知されていないと非常時の利用価値が理解できないと思う。「コミュニティ・ラジオ」を平時から確立することが必要だろう。これは行政主導であっても官民連携手法で推進すべき。

最後に、今回の研修会に出てみて、市役所に過剰な期待を抱いてはいけないのだということを再認識した。何人か役所の職員の方が来られていたが、問いかけに対する答弁の仕方がいかにも役人的で、微妙に的を逸らして「やります」というコミットメントを巧妙に避けているという印象を強くした。こういう研修会をやるのであれば、少なくとも行政で災害対策がどこまでどう進んでいるのかを提示してくれてもよかった筈だが、上記2のケーススタディで、外国人から給与未払いの問い合わせがあった時に市役所のどこに繋げばどのようなサポートが得られるのか、聞いてもちゃんとした回答が返って来なかった。そこまで考え方が整理されていないのがバレバレだ。

結局、自分の身は自分で守ること、いざとなったら僕達個々人が潜在的に持っている「公共心」が頼りということなのだと思った。
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