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インドのインフォーマル・セクター(連載1) [インド]

インドの雑誌の中には開発指向が強くて読んでいて非常に面白いものが幾つかある。ハイデラバードを拠点とするAccess Livelihoods Consulting India社が発刊している季刊誌『Transforming India』(直訳すると「インドを変革する」)もその1つである。残念なことに発刊から第4号まで出してきているがビジネスとしての採算は取れずに苦戦を強いられている上に、ウェブサイトの方は第3号の記事掲載までで頓挫している。この先どれだけ続けて刊行してくれるのかわからないが、開発コンサルタントとしての的確な視点からとても良い記事を幾つも掲載しており、密かに応援している雑誌である。

そんな『Transforming India』が2008年7-9月号の特集でインフォーマル・セクターを取り上げた(「Unorganized Sector: Nano Entrepreneurs Mega Employment(未組織セクター:超零細企業家ばかりだが巨大な雇用機会あり)」)。10月のサンチャイ・ブログで特に手がけたいと考えているのはこの特集記事の要約である。(本当は全訳してもいいくらいだが出版社に対して翻訳許可を取っていないので、できるだけ要訳にします。)要約といっても1回の記事では描ききれないので、途中に別の記事を挿入することはあるかもしれないけれど連載方式を取りたいと思う。本文に入る前に、インドのインフォーマル・セクターに関する基礎知識を少々―――。
◆インドでは総人口の77%に相当する8憶3600万人が1日20ルピー未満の所得しか得られていない。
◆インドの労働者総人口は4億5750万人いるが、このうち92%に相当する4億2270万人が未組織セクター(正規雇用の職を持たず、社会保障を受けられない)で働いている。
◆この4億2270万人の労働者は、国内純生産の60%を創出し、国民所得の68%を占め、国民貯蓄の60%を占める。農産品輸出の31%を生産し、工業製品輸出の41%を生産している一大勢力となっている。
◆しかし、この労働者は、雇用の保障もなく、社会保障は享受できない中、1日20ルピーにも満たない所得で扶養家族を養っていかなければならない状況に置かれている。
出所:NCEUS(National Commission for Enterprises in the Unorganised Sector)HPから


それでは連載に入ります。
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