SSブログ

インドの女性 [インド・トリビア]

先週ヒンディー語の勉強を開始した際、9年前に使っていたテキストに挟まっていた「インドの女性」というメモを見つけた。昔書いたものらしいが、捨て置くのももったいないので、ブログで紹介していくことにしたいと思う。
1.ヒンドゥー教
「宗教的義務=社会的義務、生活規範」
←ヒンドゥーとして生まれてから死ぬまでになすべき行為の一切合財を規定するもの
「マヌ法典」には、婦人としての義務として次のように書かれている。「婦人は幼くしてその父に従い、若いときは夫に従い、夫が死ねば息子に従わねばならぬ。婦人は決して独立を享受してはならぬ。」

2.ジャーティ(カースト)制
「ジャーティ」という言葉を用いるときは、特別のことでもない限り、それぞれの職業と結びついた小さな具体的集団、つまり洗濯人や大工などの「生まれ」を意味する。そのジャーティの地位の上下、宗教的な浄・不浄(誰から飲食物を受け取るか)の観念によって規定されている。ジャーティは2000~3000とも言われている。

3.16の通過儀礼
①受胎式、②男子選択式、③髪分け式、④生誕式、⑤命名式、⑥出遊式、⑦お食い初め式、⑧結髪式、⑨耳に穴をあける式、⑩入学式、⑪入門式、⑫ヴェーダの読み始め式、⑬剃髪式、⑭帰家式、⑮婚礼、⑯葬礼

4.監視の厳しい娘時代
ジャーティの身分区分は、親が子供に教える最初の、しかも大切な教育と言われている。子供から女性になればワンピースを着ることも許されなくなり、何をするにも男性のお付きが必要という状況にもなる。

5.理想の女性像
ヒンディー語には、「良妻」という言葉はあっても、「賢母」にぴったり当てはまる言葉がない。そういうイメージすら持たれていないという。カーマ・スートラによると、理想の女性が兼ね備えるべき64の技芸(カラー)があるという。唱歌、楽器の演奏、舞踊、絵画、花を床に広げること、寝床の作り方などである。賢母としての女性よりも、むしろ良妻かつ真女としての女性の方がはるかに重んじられている。

6.結婚
女性の一生の中で最も重大な儀礼。親にとってもこの日のためにと娘を守り育ててきたのであればなおさらであろう。ヒンドゥー社会では、結婚して初めて一人前の女性と認められる。結婚の際に花嫁の家が持参する持参金(ダウリー)は1万から2万ルピー、中には4万ルピーというところもある。父親の月収(大学教授で2000ルピー前後)の実に12~13ヶ月分に相当する。
(レートは1998年当時)

7.美人の条件
古くから、インドには次のような美人像がある。「脚の皮膚は象の鼻のように固く、バナナの幹よりも冷たい。尻は大きくて重い。ウェストは蜂のおうにくびれ、へそは深くくぼんでいる。乳房はマンゴーのように丸く盛り上がり、両乳房の間には蓮の繊維(細いものの代表)すらも入らない。乳首は浮きの雲のように黒い。顔は月のように丸く、眼は蓮の花のように大きく、しかも切れ長である。」

8.家庭生活
何が何でも男子出産をすることが求められている。また、夫と息子の後でないと女性は食事を取ることができない。

9.幼児婚・再婚・寡婦―不幸との隣り合わせ
ヒンドゥー社会では、一般に離婚や再婚は恥ずべきものとされている。若いうちに夫に死別すると、寡婦としての生活を送ることになる。寡婦になると、髪飾り、色物のサリーなどは一切身につけてはならない。寡婦には質素な髪型と白のサリーが許されるだけである。全ての通過儀礼には出席も許されないし、外出、客人の接待も許されない。生きながら、一切の社会的活動が許されていない。

10.サティー(殉死)
寡婦の地位がこれだけ低いことの裏返しとして、殉死が美徳とされている。

11.ヒンドゥー社会における女性の支柱
16の通過儀礼はあくまでも男子成人のために必要な儀礼である。少女時代のそれはあくまでも結婚するために必要なものという位置づけで、結婚後は男子出産に必要なものになっている。ヒンドゥー社会では、個人は家に縛られ、その家はジャーティの社会規範に束縛されている。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0