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負け惜しみ(その4) [自己啓発]

おそらくインドへ出発する前に書ける最後のブログ・エントリーになると思う。出発前で非常にバタバタしていて、本などろくに読んでいられないし、ニュースのチェックもそれほど頻繁にはやっていない。自ずと書けるネタも限られてきて、ちょっと更新頻度が落ちてきている。

こういう状況になるのはある程度は予測はできていたのであるが、海外赴任を打診された4月初旬、6月赴任を想定して6月中に受けておきたい外部研修が社内の海外赴任前研修とは別にあった。それは、フォトリーディング集中講座の再受講である。

The Photoreading Whole Mind System

The Photoreading Whole Mind System

  • 作者: Paul R. Scheele
  • 出版社/メーカー: Learning Strategies Corp
  • 発売日: 2000/01/01
  • メディア: ペーパーバック

 

再受講というからには既に一度は受講しているということである。このブログを2005年3月頃から既に読み始めておられた方はご記憶されているかもしれないが、僕はその年の4月下旬にラーニング・ソリューション社が主催するフォトリーディングの3日間集中講座を受けている(その時のブログがこちら)。フォトリーディングは、集中講座を受講して右脳が活性化させてから技能が定着するまで約3週間継続することが重要だとその時の講師だった山口佐貴子さんにかなり念を押され、実際に1週間ほどは継続してやれたのであるが、その後連休明けから仕事が忙しくなり、それにかまけてどうしても1日1冊ペースというのを維持できなかったのである。

今さら言い訳はしたくはないが、当時フォトリーディングに取り組んでみて難しいなと思ったことが幾つかある。

  1. 経済学や社会学の専門書は、一文一文を丁寧に読んでも理解ができないことが多いため、フォトリーディングのように最初から飛ばして読むのには向いていないような気がする。概観してからフォーカスを定めていくという考え方自体はこうした専門書や論文の熟読の際にもかなり当てはまると思うが、それは言われなくても誰でもよくやっている手法だと思う。
  2. 専門書の場合、「何を知りたいか」を自分の脳に問いかけるというプロセス自体が難しいような気がする。それがわかっていたらわざわざその文献を読む必要がないのではないかと思うのである。質問の設定の仕方の問題なのだろうか。でも、専門書というのは、わからないから読むものだという気がするが…。
  3. 加えて、専門書は多くの場合、複数の執筆者による共著となっているケースが多く、各章が独立している。そうすると、読む単位は章毎ということになるため、フォトリーディングの謳い文句の1つである「1日1冊」というペースにはそぐわないような気がする。
  4. 専門書のことばかりを述べてきたが、もう1つの難しさやお役所の文書がわかりにくいという点にある。お役所の文書というのはそれに関わったら多くの人々の妥協の産物のようなところがあり、一字一句に微妙なニュアンスが込められていることが多い。そうすると、フォトリーディングのようなある意味大雑把な読み方に対して、お役所の文書というのは一字一句を丁寧に読み、言外の含みを上手く解釈していくことが求められる。
  5. それだけではない。読む対象となる文献の見出しや小見出しの付け方の巧拙によって、フォトリーディングの進捗は影響をかなり受けるような気がする。小まめに小見出しが付けられていて情報の塊りがはっきり捉えられる文献ならまだしも、図表もない小見出しもほとんどないようなのっぺらぼうの文体の文献では、捉えどころがあまりなくて正直かなり読みづらいような気がした。

そんなわけで、上で述べたようなある種フォトリーディングがやりにくいような文献、資料ばかりに仕事で直面してきた僕にとって、11万3000円もする研修を受けたわりにはそれを仕事で生かすことができなかったという反省の念が強い。こういう文章はどう読むのか、もう一度集中講座を受け直してみて、考えてみたいと思っていた。

再受講は無料である。だから、時間さえあれば受けられるのではないかと期待した。ところが、6月の社内研修の日程がわかった時点で集中講座の6月開催分は全て締め切られており、再受講のチャンスを逃してしまったのである。今振り返ってみても、6月に金土日の3日間をまるまる空けられるような余裕は全くなかった。元々無理だったような気がする。

ただ、少しだけ強がりを言わせていただくとすれば、僕はこれから海外に赴任して、すくなくとも難しい理論を述べているような専門書や小難しい研究論文等はあまり読む必要にかられなくなると思う。フォトリーディングを意地でも習得するという意欲は今はあまりなく、むしろちゃんと小見出しがついていて図表もかなり盛り込まれているような公的文書を読む機会が多くなるような気がしている。であれば、専門書や論文を読み込む能力を必死こいてつけるよりも、もう少し文書の構成を意識してとにかく拾い読みしてその場をしのぐという、フォトリーディングが想定していそうな状況というのに即したリーディングができるかもしれないと思う。まあ実際に現地で1年ぐらい仕事をやってみて、やはりブラッシュアップが必要ということであれば、一時帰国する機会にでも別途再受講を申し込んでみようかとも思っている。


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