『南アジア現代史Ⅰ』 [読書日記]
インド行きの準備を考えるに当って、勿論目の前の仕事に関して事前勉強することは大事だと思うが、インドで生活していく中で、彼らの生活や習慣、考え方の底流にある思想について少しぐらい知っておくことが必要ではないかと思う。それを痛感したのは、先週土曜日(2日)に国際基督教大学で行われた国際シンポジウム「日印文化交流の今日的意味~グローバル化の中の真の豊かさとは~」に参加してみた時だった。タゴールやガンディーの思想について少しぐらいは勉強しておいた方がいいのではないかという気がしたのである。
そこでそこで最初に考えたのは、インドを中心とした南アジアの歴史に関する本だった。そして、歴史の本といったら定番は高校時代にお世話になった山川出版社、それも「世界現代史」のシリーズだろうと思い、市立図書館に行って借りて読み始めた。
1977年発刊だから、インディラ・ガンディーやラジブ・ガンディー母子の暗殺や1991年の経済危機などは扱われていない。確かに扱われている歴史がちょっと古いのは仕方がないが、そのカバーしている時代がガンディーやネルーの活躍した時代とかなりダブるため、インド史入門としては丁度良いかもしれない。インドの州割りがどのように決まったのか、公用語がなぜヒンディー語に決まったのか、1947年8月のインド独立の際、なぜ印パは分離されて独立することになったのか、インドの有力政党国民会議派とBJP(インド人民党)はどのようにして設立されていったのか等、知っておいて損はないネタを幾つか集めることができる。また、読んでいるとガンディーが聖人君子ではなく、かなり政治的な駆け引きをやっていた人なのだというのもわかった。(ちゃんとガンディーの伝記を読んだことがある人には当たり前のことなのかもしれないが、僕にとっては意外だったし、結構新鮮だった。)
但し、読んでいて世界史の教科書を読んでいるような錯覚に襲われたのも事実。仕方がない。何せ大学の東洋史あたりで教科書として使われているのが山川出版社の「世界現代史」シリーズなのだから。でも、特定の人物を重点的に追いかけていないので、ガンディーについて知りたいとか、ネルーについてもっと知りたいとか、そういうニーズには十分応えきれていないだろう。
そこで、次なるステップとして読んだのが、公文学習教室に通っているミッキーとチッチーが教室で借りてきた次の本、そしてコミセン図書室で借りた学研の本だ。マンガだが、人物中心で歴史を描いているため、単にマンガだからというだけではなく山川の難しい本よりもガンディーについてはコンパクトに理解することができた。
こうして、ガンディーについては少しは学んだ気になりつつあるわけだが、インドの歴史を見るにはもう1つの切り口がある。今のところは現代史しか見ていないが、今や観光スポットとなっている史跡について、その由来を知るためには紀元前からの長い歴史を見直しておくことも必要だろう。ということで、下記の本を購入し、インドに持って行くことにした。インドに観光で行きたいと考えておられる友人知人の諸氏、僕のネタ本はこれです。ってネタばらしてどうする!?
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