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辞書引いて学びを促す [読書日記]

7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる

7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる

  • 作者: 深谷 圭助
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2006/09/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

    


出版社/著者からの内容紹介
本書では、子どもたちが辞書を引きながら「語い力」「読む力」「書く力」「考える力」などといった「学力に結びつく力」を身につける方法を豊富に紹介しています。小学校低学年は「言葉の吸収力」がピークに達する大切な時期であり、学ぶ意欲も非常に高いため、「きっかけ」さえあれば、子どもは楽しみながら学んでいきます。子どもたちは、国語辞典を「知っている単語探し」「入り組んだ漢字調べ」「百科事典の代用」といったさまざま用途で使ううちに、「答えを見つける面白さ」の虜になっていきます。こうして「学ぶ習慣」を身につけるなかで、メキメキと「語い」が増え、教育漢字を含めた「1945字」の常用漢字を「読み書き」できるようになっていくのです。このため、本が好きになり、漢字字典、植物事典、百科事典などもむさぼるように読みふけるようになります。学習面においても、自分で調べ、検証する習慣が身につくため、考える力がグングン伸びていきます。一冊の辞書から始まる、子どもの可能性を最大限に引き出す学習法を、今スグに試してください。次に伸びるのは「あなたの子どもの番」です!

この本、店頭に平積みされていた時から「そうなんだよな」と賛同していずれは読みたいと思っていた。僕は小学校時代ここまで徹底して辞書を引く訓練は受けていないけれど、辞書でわからない言葉を調べるのはそれほど苦痛ではなかった。ただ、辞書を引く訓練を受けたのは小学校高学年で、三省堂の『学習ジャンボ国語百科辞典』というのを親に買ってもらって使っていた。当時の僕としては最も分厚い本で、それなりによく使っていたと思う。最も印象に残っているのは、ゴヤの描いた『巨人』の挿絵だった。中学校時代は、クラスメートと国語辞典を読みながらエッチな言葉を沢山覚えた。語彙が増えたのは、当時のクラスメートとエッチな言葉を捜す競争をしていたからだと思う。

高校時代は専ら英和辞典のお世話になった。僕が英文法にべらぼうに強かったのは、隣の席に憧れのK.Hさんが座っていた期間が長かったこともあるが、あまり親切でなかった東京書籍のグラマーの教科書の予習で、研究社『新英和中辞典』を引きまくったからである。教科書に掲載されていた表現を辞書の英単語の用例から探し当てるのは結構楽しい時間だった。それで「Sanchai君、ちょっと教えて」とK.Hさんから一目置かれ、ちょくちょく話す機会が持てたからだ。(淡い恋は結局成就はしなかったけど…)

内容については書名が全てを語っており、あえて述べるまでもない。一言で言えば、辞書をいつも手元に置き、常に疑問を抱いたことはすぐに辞書を引いて調べる習慣を小学1年生の頃からつけることで、学ぶことに対する積極的な姿勢を養うのに効果的であるということである。勿論、様々な仕掛けがあってこそ子供達はくじけそうになっても辞書に向かうことができ、そしてある臨界点にまで到達すると、後は子供達が自身の好奇心や探究心に従って自律的に学びの姿勢を強めていけると述べられている。

著者は、1989年に刈谷市立亀城小学校でこの取組みを始め、現在は立命館小学校の教頭先生をされている。この実践法はかなり有名らしく、僕の近所の小学校でも導入されている先生がいらっしゃると聞く。

うちのチッチー(7歳)に試しに国語辞典を引かせてみると、五十音順が頭に必ずしもきちっと入っておらず、「目」を引くのにア行からいちいちページをめくっていくというとんでもない手間のかかる作業をやっていた。要すれば「き」や「り」といったひらがなを1文字毎に切り離して覚えており、「ア・カ・サ・タ・ナ」の横列の順序はおろか、ややもすると「ア・イ・ウ・エ・オ」という縦列の順序もきちんと意識されていないのではないかということなのである。筆者は慣れてこれば5秒で単語を引き当てる子供もいると述べているが、これだけでも凄いことなのだ。

本書においては、時々、辞書引きそのものの効果なのか、それとも教師の指導方法の効果なのか、読んでいて話が脱線するところがある。子供に答えを教えるのではなく、自ら考えるよう仕向ける工夫が必要と述べている箇所もある。辞書はそう仕向けるための手段の1つなのかなとも思う。また、先日の金子勇氏の著書で述べられていた「老若男女共生社会」とも近い発想だと思うが、学校、家庭という区分けをやめて、親も教師も「子供の可能性を伸ばす」という考えの下に協力して、学ぶ場を増やしていくことが、子供の可能性を広げる環境づくりの第一歩だと述べている(p.211)。子供は地域の大切な資源である。その教育には、学校と家庭が連携することが必要であるという。(多分、金子教授の論点は、学校と家庭だけではなく地域社会全体で責任を持って育てよということなのだろうが。)


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コメント 1

よしぞう

はじめまして。突然の書き込み失礼いたします。
現在うちの子供が立命小にお世話になっており、漢字の時間は深谷先生が受け持って下さっています。
うちも辞書を引き始めた頃は、「つみきのつは、えーとたちつてとだからタ行で・・・」と気が遠くなる位時間がかかっていました。
つい手を貸したくなるのをぐっとこらえて2週間もすると15秒程で引けるようになり、今は毎朝新聞を読むのに辞書片手にがんばっています。
居間に一冊、それぞれの子供机に一冊ずつ違う出版社の国語辞書を置いてあるせいか、親に聞くより活用しています。
急に学力が上がるわけもなく(笑)マイペースで進んでいますが、語彙は増えたように思います。
長文失礼しました。
by よしぞう (2007-02-20 15:34) 

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