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九九ならぬ一九一九(イクイク) [読書日記]

かえるさんとガビンさん著、ロビン西挿絵                                          『二桁のかけ算 一九一九(イクイク)』                                           ライブドアパブリッシング、2005年9月


内容(「BOOK」データベースより)
世界には二桁のかけ算をやっている国があるって知ってました?たとえば、IT大国として優秀な技術者を世界中に送り出しているインドでは、小学生のうちに二桁のかけ算を覚えるのは常識。そのインドにあやかろうと、教育に熱心な韓国でも二桁のかけ算の爆発的なブームが起きているようです。日本でも、ほんの数年前までは、丸暗記や詰め込み学習が悪者のように扱われていた時期もありましたが、学力の低下の危機意識からか、百マス計算などのくり返し学習がさかんに行われたりしています。脳の筋肉トレーニングがどうやら重要みたい、と多くの人が思い始めているのかもしれません。つまり、機は熟した!さあ、二桁のかけ算を始めましょう。

僕はライブドアという会社が結局何をやっていたのかよくわからないのだけれど、いつの間にか出版部門を確保してこんな本を出していたのね。19×19まで九九、じゃなくて一九一九(イクイク)が暗記できたからといって、"So What?"と思ってしまうのだが、かなり面白い本であることには間違いない。

11から19までの数字をいろいろなキャラに当てはめて、語呂で覚えるのである。

11 ヒヒ                                                                       12 ビキニ                                                                       13 一茶                                                                 14 伊代                                                                     15 五つ子                                                                            16 ヒーロー                                                                       17 ヒナ                                                               18 岩                                                                             19 一休

これによって、例えばこんな語呂が成立する。

11×15=165 「ヒヒの五つ子、いい老後」                                      12×13=156 「ビキニの一茶でイチコロ」                                          14×14=196 「伊代、伊代、一苦労」                                             19×14=266 「一休、伊代にムラムラ」                                  18×15=270 「岩、五つ子になれ」                                         17×17=289 「ヒナ、ヒナの通訳」                                          16×12=192 「ヒーローのビキニ、いくつ?」

「だから何なの?」って相変わらず思っていらっしゃる読者の方に、さらにこの本を読んで「ヘェ~」とうなる情報も掲載されていることをご紹介したい。

  • インドでは、普通の学校教育で20×20まで教えるが、学校によっては50×50、さらには99×99まで暗唱させるところもあるらしい。
  • 米国や英国では、12×12まで。
  • 韓国では最近まで9×9までだったのが、最近は19×一桁の九九を暗唱させるための「19段ソング」というのが出回っているらしい。
  • フランス語はそもそも数字の数え方の中に掛算が紛れ込んでいる。例えば80のことは「4つの20」という。
  • ドイツでは20×10までの九九を暗唱させられる。
  • 日本の九九は、昔は9×9から始まって、1×1まで行く方法をとっていた。

下らない本だけれども、親子で読むと子供にはバカ受けだし、少なからず算数の知識も得られて面白いと思う。算数の本だと言いながら、異文化理解も入っているは歴史も入っているは、本来、算数や数学というのは単に算術を教えればよいだけではなくて、こうした縦横に入り組んだ科目横断的な知識を得させるものであったとしたら、歴史や地理が大好きだった僕の数学嫌いも少しは軽減されていたかもしれない。


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dolce-kirari

ご無沙汰です♪

サンチャイさんは忙しいのにほんとうによく読んでいますね~^^
わたしも見習わなくちゃ、と思いつつ相変わらずミステリーばかりです。
「ダ・ヴィンチ・コード」読もうかどうしようか迷っています。
今、PCの前にあるんですが・・・。
もう2日も前から(笑)

きらり
by dolce-kirari (2006-05-17 23:38) 

Sanchai

きらりさん、いつもコメントありがとうございます。
「ダ・ヴィンチ・コード」は、近所の図書室に入荷したら借りようかなと思ってます。後出しジャンケンですね。読まれたら是非記事書いて下さい。
「一九一九」は、かなり前から時々目を通してクスクスやってたので、ようやく披露できてよかったと思います。
最近、重松清にはまってしまい、毎朝ウォーキングに出かける前に目覚めの短編を1話だけ読んでいます。
by Sanchai (2006-05-17 23:54) 

降龍十八章

この語呂合わせはすばらしいですね!早速、授業で使わせていただきます。
私は高校1年の初めに数学の先生が、11から19の二乗だけは暗記するようにと教えられました。そのときはできませんでしたが、中学入試の算数では正方形の面積や数列などでやたら使うので、とても便利です。小学生のうちに楽しみながら覚えてしまうといいと思います。中学では大きな数のルートがすぐにわかるとまた、便利ですし。
なお、立方体もあるので、三乗の覚え方もあるといいですね。
by 降龍十八章 (2006-05-18 12:15) 

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