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全日本剣道選手権―原田選手、おめでとう。 [自己啓発]

毎年11月3日に行なわれる全日本剣道選手権、今年の勝者は、東京代表の原田悟六段に決まった。おめでとうございます。悲願の初優勝です。

1990年代は西川、宮崎、石田の3選手で全日本の優勝者は占められてきたが、2000年の栄花直輝選手に始まり、岩佐英範選手(2001)、安藤戒午選手(2002)、近本巧選手(2003)、鈴木剛選手(2004)と毎年優勝者が交代するようになってきている。そんな中、原田選手は2000年以降、ほぼ毎年のようにベスト8には残るコンスタントな成績を上げてきた。

2000年 準決勝  原田悟● - ○栄花直輝

2002年 準決勝  原田悟● - ○岩佐英範

2003年 準々決勝 原田悟● - ○近本巧

2004年 決勝    原田悟● - ○鈴木剛

2005年 決勝    原田悟○ - ●内村良一

特筆すべきは、上で挙げた通り、全日本選手権で敗れた相手は全て全日本で優勝している。岩佐選手にしても前年の覇者だ。しかも、全日本は各都道府県で予選大会があるわけで、それを勝ち抜いてなおかつ全日本でこれだけコンスタントに上位に進出してきている選手は、原田選手を除いて他に考えられない。

平成6年の大学卒業直後の全日本でいきなり準優勝した時、「若手のホープ」と騒がれた。その後も全日本の常連にはなったが、準優勝2回、3位3回を経験してもなかなか頂点に立つことができず、いつの間にか32歳を迎えていた。

今回の試合は、NHKのテレビ中継でずっと観ていたが、メン、コテを中心とした正統派の剣風で、じっくり攻めを組み立て、隙を見るや一気呵成に捨て身で攻めるという、剣道を志す者にとっては非常に手本になる攻め方であった。準決勝のメン、決勝のコテ、いずれも手本になる打突だったが、そこに至るまでの攻めに剣道の醍醐味を感じずには得られなかった。そして延長に入った決勝戦で出ばなコテが決まった瞬間、面がねの隙間から見えた原田選手の目がたちまち潤んでいたように見えた。

これだけ勝てない時期が続いたのだから、原田選手は「自分には何が欠けているのだろうか」とずっと自問自答を繰り返して稽古を積まれてきたのだと思う。これだけ長年にわたってモチベーションを維持することは大変なことだと思う。今回の原田選手の優勝は、これまでの彼の全日本での惜敗をずっと見てきた者全てにとって、とても喜ぶべき結果だったと思う。

個人的には、安藤選手や近本選手のように、「勢い」というもので一気に頂点まで登りつめた選手の試合振りの方が圧倒的に印象に残っている。これまでの原田選手の善戦も、彼らの勢いに押し流されたような感じだったが、本来剣道の試合とは、一本に至るまでの攻めや駆け引きをよく観ることが必要だと思う。下からコテを攻めて、相手の注意がコテに集まり始めたところでメンを攻めるといった、制限時間5分をフルに使って一本を取っていくような試合のマネジメントを学ぶのに、全日本は最適だ。

毎年、全日本選手権を見ては感動し、自分もかくありたいと思うのであるが、2年前に米国から帰国し、剣道の稽古に励む時間の余裕を失ってしまっている。そうこうするうちに家族は増え、仕事の上でも責任が増え、さらに体重が増えて体力が弱ってしまった。今はゼロからウォーキングで基礎体力を取り戻すことに取り組んでいるところであるが、今のような週末にまで仕事の資料を自宅に持って帰るような仕事と生活のバランスを欠いた仕事のやり方を強いられる部署などには一刻も早くおさらばして、自分を取り戻したいと改めて強く感じた。

全日本剣道連盟(全剣連)のホームページで、試合結果は閲覧できます。


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コメント 2

tnakam

私もテレビで試合を拝見しました。
原田選手、おめでとうございます!
by tnakam (2005-11-05 19:11) 

徳井

原田先生の講習会、凄く為になりました。剣道への想いを改めて深く知りました。ありがとうございました。
大会では、優勝おめでとうございます。
by 徳井 (2007-12-30 15:58) 

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